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細胞生存能力と細胞生存率アッセイの概要

細胞あるいは細胞集団の生存能力は、細胞の健康状態の総合的な尺度です。細胞生存率アッセイは、処理や培養条件が細胞のホメオスタシスに及ぼす影響を明らかにするため、細胞の物理的および代謝状態を評価するようにデザインされています。

細胞の健康と疾患との間の重要な関連性は、さまざまな実験的状況やモデルシステムにおいて細胞生存率を測定するアッセイの必要性を強く裏付けています。

細胞生存率を測定する方法

細胞生存率は、様々な技術や実験プラットフォームを用いて測定されます。酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA) に基づく細胞生存率アッセイのようないくつかの技術は、解析にスペクトルを測定するマイクロプレートリーダーを使用します。その他の一般的に使用されるアッセイでは、免疫蛍光染色、フローサイトメトリー、ウェスタンブロッティングをリードアウトとして用います。

細胞生存率アッセイと細胞増殖アッセイの比較:

  • 細胞生存率アッセイ:細胞の健康状態を示す指標、例えば、細胞膜の透過性、細胞の代謝活性、ATPレベルを測定します。
  • 細胞増殖アッセイ:DNA含有量、DNA合成、あるいは細胞分裂に必要なタンパク質の発現の解析によって、生細胞の数を測定します。

細胞生存能力アッセイ

細胞生存率を測定するのに複数の技術が使用されています。実験の結果を確認するため、複数の独立したアッセイを実施する必要があります。細胞生存率を解析する技術には、以下のようなものがあります。

アッセイ 測定対象

XTTアッセイ

Resazurinアッセイ

活性を示すミトコンドリアを持つ生細胞から、代謝活性を検出
XTT Cell Viability Kit #9095

XTT Cell Viability Kit #9095: 96ウェルプレートに異なる密度のC2C12細胞を播種し、一晩インキュベートしました。XTTアッセイ溶液をプレートに添加し、細胞をインキュベートしました。1.0、2.0、3.0、4.0、5.0時間後に450 nmの吸光度を測定しました。

7-AAD/CFSE Cell-Mediated Cytotoxicity Assay Kit

ヨウ化プロピジウム

Ghost Dye

トリパンブルー

生死判別色素は、非生存細胞への色素の取り込みをモニターするのに使用されます。この色素は、生存細胞には取り込まれません
Ghost Dye Red 780 Viability Dye #18452:

Ghost Dye Red 780 Viability Dye #18452: ヒト末梢血単核球の生細胞または固定および透過化した細胞を、Ghost Dye Red 780 Viability Dyeを組み合わせて染色し、フローサイトメトリーで解析しました。有効なゲートが表示されています。

リン酸化Histone H3 (ウェスタンブロッティング)

PCNA (Proliferating cell nuclear antigen)

Ki-67 (免疫組織化学染色)

細胞分裂に必要な(あるいは関与する)タンパク質の発現レベルを測定します
Ki-67 (D2H10) Rabbit mAb (IHC Specific) #9027

Ki-67 (D2H10) Rabbit mAb (IHC Specific) #9027: パラフィン包埋ヒト結腸がんを、Ki-67 (D2H10) Rabbit mAb (IHC Specific) を用いて、免疫組織化学染色で解析しました。