注目情報はこちら >>

EVH1タンパク質ドメイン

プロリンリッチシーケンス結合:EVH1ドメイン

ActAペプチドに結合したEVLのEVH1ドメイン ()

ドメイン結合および機能

EVH1(Ena/Vasp Homology domain 1) は、およそ115アミノ酸残基からなるタンパク質モジュールで、後シナプスコンパートにおいてアクチン細胞骨格系とシグナル伝達の制御に関与する複数のタンパク質集合を媒介する多数の足場タンパク質で見出されます。このドメインは、ショウジョウバエのEna (Enabled)、哺乳類でこれに対応するMena、およびその近縁タンパク質のVaspのN末端領域から同定されました。EVH1ドメインは、もう一つのMenaファミリータンパク質 (Evl)、免疫不全のウイスコット-アルドリッチ症候群で変性したWASPドッキングタンパク質、1型代謝熱性グルタミン酸受容体と相互作用するシナプスタンパク質Homerファミリーで見付かっています。EVH1ドメインは、プロリンリッチなリガンドとの結合に基づいて2つのクラスに分けられています。クラスIのEVH1ドメインにはFPxΦPモチーフを認識するEna/Vaspタンパク質が含まれ、クラスIIのEVH1タンパク質には、PPxxFモチーフを認識する、後シナプスの受容体結合タンパク質が含まれます。これらのモチーフはVinculinやZyxinなどの細胞骨格系のタンパク質に広く共通してみられます。また、病原微生物リステリア菌のActAタンパク質 (宿主細胞のアクチン重合調節して細菌運動を制御する) にもみられます。

構造の参考文献

  1. Federov, A.A. et al. (1999) Nat. Struct. Biol. 6(7), 661–665

ドメインタンパク質の例

プロリンリッチシーケンス結合:EVH1ドメイン

結合の例

EVH1包含タンパク質 結合パートナー モチーフ
クラスI
Ena/VASP
Vinculin, Zyxin, ActA FPxΦP
クラスII
Homer-Ves1
mGluR, IP3R, RyR PPxxF