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骨髄異形成症候群 (MDS) と急性骨髄性白血病 (AML)

シトシン塩基でのDNAメチル化は、遺伝子発現を調節して細胞の増殖と分化を制御する極めて重要なエピジェネティック修飾です。DNMT3Aの過剰発現あるいはTET2の不活性化によるこのメチル化の調節不全は、局所的なDNA高メチル化を引き起こす可能性があります。このことは、がん抑制遺伝子の転写抑制あるいはCTCFタンパク質の移動により、骨髄異形成症候群 (MDS) や急性骨髄性白血病 (AML) の病因となって、がん遺伝子の異常な発現をもたらします。

以下の標的から始めませんか?

DNMT3A

DNMT3Aはメチルトランスフェラーゼであり、MDSやAMLでしばしば変異が見られます。

製品
DNMT3A (D2H4B) Rabbit mAb #32578 – WB、IP、IHC、IF、F
MDS MLL 図 1

NCCIT細胞、NTERA-2 cl.D1細胞、HCT 116細胞に由来する抽出物を、DNMT3A (D2H4B) Rabbit mAbを用いてウェスタンブロッティングで解析しました。この抗体は、アイソフォーム1と2など、DNMT3Aの複数のアイソフォームを検出します。

TET2

メチルトランスフェラーゼTET2の不活性化は、MDSやAMLの最もよく見られる原因の1つです。

製品
TET2 (D6B9Y) Rabbit mAb #18950 – WB, IP, ChIP
MDS MLL 図 2

クロスリンクさせた293T細胞由来のクロマチンに、TET2 (D6B9Y) Rabbit mAbあるいはNormal Rabbit IgG #2729のいずれかを用いて、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005を使用してクロマチン免疫沈降を実施しました。濃縮したDNAは、SimpleChIP Human ZNF335 Promoter Primers #25946、human TAF12 exon1 primers、SimpleChIP Human α Satellite Repeat Primers #4486を使用してリアルタイムPCRによって定量しました。インプットクロマチンの総量を1とし、各サンプルで得られたDNA量の相対値を示しています。

5-mCと5-hmC

DNMT3Aの過剰発現あるいはTET2の不活性化による、5-メチルシトシン (5-mC) と5-ヒドロキシメチルシトシン (5-hmC) の量の変化に注意が必要です。

MDS MLL 図 3

DYKDDDDKタグを付加したTET1触媒ドメイン (TET1-CD) をトランスフェクションした293T細胞を、5-Methylcytosine (5-mC) (D3S2Z) Rabbit mAb (緑) およびDYKDDDDK Tag (9A3) Mouse mAb #8146 (赤) を用いて免疫蛍光染色し、共焦点顕微鏡で観察しました。DRAQ5 #4084 (蛍光DNA染料) は青の疑似カラーで示しました。予想通り、TET1-CD (赤) を発現する293T細胞では、5-メチルシトシン (緑) の量が低下していました。