Bcl-2ファミリータンパク質は、ミトコンドリアの透過性を調節することによってアポトーシスを制御します。抗アポトーシスタンパク質であるBcl-2およびBcl-xLは、ミトコンドリア壁の外側に存在し、シトクロムcの放出を阻害します。アポトーシス促進性のBcl-2ファミリータンパク質であるBad、Bid、Bax、Bimは細胞質基質に存在する可能性がありますが、デスシグナル伝達を受けてミトコンドリアに移行し、そこでシトクロムcの放出を促進します。Badはミトコンドリアに移行し、Bcl-xLとアポトーシス促進複合体を形成します。この移行は、Badのリン酸化を誘導する生存因子によって阻害され、Badは細胞質基質に引き止められます。細胞質基質のBidは、Fasによるシグナル伝達後にCaspase-8により切断されます。その活性断片 (tBid) はミトコンドリアに移行します。BaxおよびBimは、生存因子の除去などの細胞死刺激に応答してミトコンドリアに移行します。DNA損傷後に活性化されると、p53がBax、Noxa、およびPumaの転写を誘導します。ミトコンドリアから放出されると、シトクロムcはApaf-1に結合し、Caspase-9と活性化複合体を形成します。アポトーシス下でミトコンドリアの透過性およびシトクロムcの放出を制御する機序は完全には理解されていませんが、Bcl-xL、Bcl-2、Baxは、シトクロムc放出を調節するVoltage-dependent anion channel (VDAC) に影響を及ぼす可能性があります。Mule/ARF-BP1はDNA損傷で活性化されるE3ユビキチンリガーゼであり、p53とBcl-2の抗アポトーシスメンバーであるMcl-1を標的としています。
この図をレビューして下さった、ハーバード大学医学大学院 (マサチューセッツ州、ボストン) のJunying Yuan教授に感謝いたします。
作成日:2008年9月
改訂日:2012年11月