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アポトーシスの制御

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アポトーシスの制御

パスウェイの説明:

アポトーシスは、核凝集、細胞収縮、膜ブレブ形成、DNAの断片化を特徴とする、制御された細胞死のメカニズムです。システインプロテアーゼファミリーであるカスパーゼは、アポトーシスの中心的な制御因子です。イニシエーターカスパーゼ (Caspase-2、-8、-9、-10、-11、-12など) は、アポトーシス促進シグナルと密接に関連しています。これらのカスパーゼは一度活性化されると、下流のエフェクターカスパーゼ (Caspase-3、-6、-7など) を切断して活性化し、続いて活性化したエフェクターカスパーゼが特徴的なアスパラギン酸残基を残して細胞のタンパク質を切断することでアポトーシスを実行します。FasLによるFasの活性化によってCaspase-8が、そして、TNFによるTNFRの活性化によってCaspase-10が、それぞれ活性化します。また、DNAの損傷によってPIDDの発現が誘導され、発現したPIDDがRAIDDおよびCaspase-2に結合することで、Caspase-2が活性化します。損傷したミトコンドリアから放出されるシトクロムcは、Caspase-9の活性化に関連します。XIAPはCaspase-3、-7、-9を阻害します。ミトコンドリアは、シトクロムcに加えてSmac/Diablo、AIF、HtrA2、EndoGなどといったアポトーシス促進分子を放出します。Smac/DiabloはXIAPと結合することで、XIAPのカスパーゼ阻害効果を抑制します。Caspase-11は、病的な炎症促進刺激やアポトーシス促進刺激によって誘導・活性化されて、Caspase-1の活性化を促します。その結果、Caspase-1がCaspase-3を直接プロセシングすることにより、炎症応答とアポトーシスが促進されます。Caspase-12とCaspase-7は小胞体ストレス下において活性化されます。成長因子やサイトカインなどの抗アポトーシスリガンドは、Aktとp90RSKを活性化します。Aktは、Badを直接リン酸化することでその活性を阻害し、転写因子であるForkheadファミリー (FoxO) をリン酸化、阻害することでBimの発現を抑制します。FoxOは、FasLやBimなどのアポトーシス促進分子を正に制御することで、アポトーシスを促進します。

参考文献:

この図をレビューして下さった、ハーバード大学医学大学院 (マサチューセッツ州、ボストン) のJunying Yuan教授に感謝いたします。

作成日:2008年9月

改訂日:2012年11月

アセチル化酵素
アセチル化酵素
代謝酵素
代謝酵素
アダプター
アダプター
メチルトランスフェラーゼあるいはGタンパク質
メチルトランスフェラーゼあるいはGタンパク質
アダプター
アポトーシス/オートファジー調節因子
ホスファターゼ
ホスファターゼ
細胞周期の調節因子
細胞周期の調節因子
タンパク質複合体
タンパク質複合体
脱アセチル化酵素あるいは細胞骨格タンパク質
脱アセチル化酵素あるいは細胞骨格タンパク質
ユビキチン/SUMOリガーゼあるいは脱ユビキチン化酵素
ユビキチン/SUMOリガーゼあるいは脱ユビキチン化酵素
成長因子/サイトカイン/発生調節タンパク質
成長因子/サイトカイン/発生調節タンパク質
転写因子あるいは翻訳因子
転写因子あるいは翻訳因子
GTPase/GAP/GEF
GTPase/GAP/GEF
受容体
受容体
キナーゼ
キナーゼ
その他
その他
 
直接的プロセス
直接的プロセス
一時的なプロセス
一時的なプロセス
転座プロセス
転座プロセス
刺激型修飾
刺激型修飾
阻害型修飾
阻害型修飾
転写修飾
転写修飾