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Cell Signaling Technology (CST) は、タンパク質マーカーや翻訳後修飾の確認および定量に用いる、カスタム合成した同位体標識AQUAペプチドを提供しています。AQUAペプチドを用いることにより、定量的な質量分析のゴールドスタンダードである従来の同位体希釈法で、タンパク質や翻訳後修飾を解析できます。CSTは、困難な配列や希少なPTMにも対応した高品質のAQUAペプチドのカスタム合成を専門的に行なっています。数百もの合成AQUAペプチドを米国本社に在庫しており、新規AQUAペプチドの合成および品質検査にも約4 – 6週間で対応します。

それぞれの合成AQUAペプチドは、細胞のタンパク質抽出物をプロテアーゼ消化した場合に生じるペプチドと同一配列となり、またC12およびN14の代わりに安定同位体であるC13およびN15を有するアミノ酸残基を1個以上含むようデザインされています。AQUAペプチドは、質量がわずかに大きいこと以外、細胞に内在するタンパク質から調製されたペプチドと同じ特性を持っています。AQUAペプチドは、サンプルに添加すると、対応する内在性のペプチド (パートナーペプチド) とともに分画されます。質量分析装置でのみ、内在性ペプチド (light) と合成AQUAペプチド (heavy) の質量の差を区別することができます。

CSTの科学者は、AQUAペプチド技術の開発を支援しました (Gerber SA, Rush J, Stemman O, Kirschner MW, Gygi SP (2003) Absolute quantification of proteins and phosphoproteins from cell lysates by tandem MS. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100(12), 6940–5.). CSTの研究者をはじめ、数多くの研究者が、AQUAペプチドを日常的に使用し、新規の翻訳後修飾部位を確認・検証しています。AQUAペプチドスタンダードと内在性ペプチドが液体クロマトグラフィー (LC) で共溶出されることから、翻訳後修飾部位の位置も含め、AQUAペプチドが内在性ペプチド配列の特性を正確に有していることが確かめられます。また、AQUAペプチドのLCピーク領域は、内在性ペプチドおよび翻訳後修飾部位の絶対量や相対量を定量する手段となります。

翻訳後修飾 (PTM) 部位を決定するための標準としてのAQUAペプチドの使用。

翻訳後修飾 (PTM) 部位を決定するための標準としてのAQUAペプチドの使用。 上側のクロマトグラムは、Metプロテインキナーゼのトリプシン消化産物のうち、活性化ループに由来するアミノ酸配列に対応するイオンの溶出時間を表しています。早い溶出ピークがTyr1234がリン酸化されたペプチド、後ろの溶出ピークがTyr1235がリン酸化されたペプチドに相当します。これは、下の波形 (オレンジ ) で示すTyr1234がリン酸化されたAQUA™ペプチドが、後ろの溶出ピークではなく、早い溶出ピークと共溶出することから確認できます。

特徴 & 利点

  • AQUAペプチドは細胞タンパク質のプロテアーゼ消化産物のアミノ酸配列に基づいて設計されています。AQUAペプチドの設計では通常、トリプシン消化産物が使用されています。AQUAペプチドは、未修飾とすることも、リン酸化、アセチル化、メチル化、ユビキチン化といった一般的な翻訳後修飾 (PTM) を付加することもできます。
  • AQUAペプチドは通常、ロイシン、プロリン、バリン、フェニルアラニン、またはチロシン残基にC13およびN15を組み込んで合成されます。CSTはお客様の実験に最適な標識方法をご提案します。
  • あらゆるAQUAペプチドは逆相LCにより精製され、アミノ酸分析により厳密に定量されています。
  • 価格に関する情報については個別にご連絡ください。大量購入割引もご利用いただけます。

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Cell Signaling Technology問い合わせ先:
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