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FastScan® Sandwich ELISA プロトコール (比色ELISA)

A. 溶液および試薬

注意:溶液は、脱イオンした精製水またはそれと同等のものを用いて調製してください。
試薬は実験当日必要な量だけ調製してください。

  1. FastScan™ ELISA MicrowellStrip Plate, 96 well (#53257):開封/使用前に、全てを室温に戻してください。未使用のマイクロウェルストリップは乾燥材の入った再封可能な元の袋に戻し、4°Cで保管してください。
  2. 1X ELISA Wash Buffer:それぞれのキットに含まれているELISA Wash Buffer (20X) を脱イオン水で20倍希釈し、1Xとしてください。
  3. 1X Cell Extraction Buffer:FastScan™ ELISA Cell Extraction Buffer (5X) #69905とFastScan™ ELISA Cell Extraction Enhancer Solution (50X) #25243*を脱イオン水で希釈し、1X としてください。このバッファーは、4℃で短期間 (1-2週間) 保存できます。例えば1X Cell Extraction Bufferを10 mL調製する場合、脱イオン水7.8 mL、FastScan™ ELISA Cell Extraction Buffer (5X) 2 mL、FastScan™ ELISA Cell Extraction Enhancer Solution (50X) 200 μLを混ぜ合わせてください。別法として、1X に希釈したFastScan™ ELISA Cell Extraction Bufferに細胞や組織を懸濁した後、Enhancer Solutionを加えることもできます。1X Cell Extraction Bufferをサンプル希釈液として使用する場合は、使用前に室温に戻すことを推奨します。

*重要:FastScan™ ELISA Cell Extraction Enhancer Solution (50X) は、4°Cで保管すると沈殿物を形成する場合があります。この場合は37°Cで短時間温め、穏やかに攪拌して溶解してください。FastScan™ ELISA Cell Extraction Enhancer Solution (50X) は、沈殿を防ぐために室温で保管することができます。

注意:1X Cell Extraction Bufferにはホスファターゼ阻害剤が添加されています。細胞溶解の直前に、プロテアーゼ阻害剤を1X Cell Extraction Bufferに追加してください。追加のホスファターゼ阻害剤を加えることもできます (この場合はProtease/Phosphatase Inhibitor Cocktail (100X) #5872などを別途お求めください)。

  1. FastScan™ ELISA Capture Antibody Diluent:緑色の溶液で、Capture Antibodyの溶解に用います。
  2. FastScan™ ELISA HRP Antibody Diluent:琥珀色のボトルに入った溶液で、HRP標識抗体の溶解に用います。遮光してください。
  3. 4X Capture Antibody:凍結乾燥されているCapture Antibody (緑色の塊) をFastScan™ ELISA Capture Antibody Diluent (緑色の溶液) 3 mLに穏やかに再懸濁してください。穏やかに混合しながら室温で5分間インキュベートし、完全に溶解してください。最良の結果を得るために、溶解後の抗体はなるべく早く使用してください。溶解後未使用の4X Capture Antibodyは、溶解直後に比べるとシグナルがいくらか失われる可能性はありますが、4°Cで最長4週間保存することができます。
  4. 4X HRP-linked Antibody:凍結乾燥されているHRP標識抗体 (赤色の塊) をFastScan™ ELISA HRP Antibody Diluent 3 mLに穏やかに再懸濁してください。穏やかに混合しながら室温で5分間インキュベートし、完全に溶解してください。最良の結果を得るために、溶解後の抗体はなるべく早く使用してください。溶解後未使用の4X HRP-linked Antibodyは、溶解直後に比べるとシグナルがいくらか失われる可能性はありますが、4°Cで最長4週間保存することができます。
  5. 抗体カクテル:アッセイ直前に4X Capture Antibodyと4X HRP-linked Antibodyを等量混ぜ合わせ、攪拌してください。例えば抗体カクテルを6 mL (96ウェルプレート1枚に十分な量) 調製する場合、 4X Capture Antibody 3 mLを4X HRP-linked Antibody 3 mLと混ぜ合わせてください。
  6. Positive Control:凍結乾燥されている1バイアルのPositive Controlを、脱イオン水 250 μLに溶解してください。穏やかに攪拌して1分間室温に置き、完全に溶解した後、下記の「操作手順」のセクションの行程に従ってください。Positive Controlは、脱イオン水に溶解後速やかに使用することを推奨しますが、残った分は-80℃で保管することができます (凍結/解凍するとポジティブコントロールのシグナルがいくらか失われる可能性があります)。Positive Controlは、絶対定量の材料ではなく、コントロール試薬として提供されています。
  7. TMB Substrate (#7004):使用前に室温に戻してください。
  8. STOP Solution (#7002):使用前に室温に戻してください。

B. 細胞ライセートの調製

接着細胞の場合

  1. 細胞の密度が​80​-90%コンフルエントに達したら培地を吸引除去してください。
  2. 細胞を氷冷した1X PBSで1回洗浄してください。
  3. PBSを取り除き、各プレート (10 cm径) に氷冷した1X Cell Extraction Buffer (必要に応じてプロテアーゼ阻害剤と追加のホスファターゼ阻害剤を添加することを推奨します) を0.5 mL加え、氷上で5分間インキュベートしてください。
  4. 細胞をプレートから掻き取り、適切なチューブに移してください。氷上に保持してください。
  5. ライセートを氷上で超音波処理 (ソニケーション) してください。
  6. 4°Cで5分間遠心分離 (x14,000 rpm) し、上清を新しいチューブに移してください。上清が細胞ライセートです。アッセイ1回分ずつに分注し、-80℃で保存してください。

浮遊細胞の場合

  1. 生細胞数が0.5​-1.0x106細胞/mLに達したら、低速遠心分離 (~1200 rpm) で細胞を集め、培地を除去してください。
  2. 氷冷した1X PBSで一回洗浄してください。
  3. 細胞を 1X Cell Extraction Buffer (必要に応じてプロテアーゼ阻害剤と追加のホスファターゼ阻害剤を添加することを推奨します) で溶解してください。増殖培地50 mLから回収した細胞は1X Cell Extractioon Buffer 2.0 mLで溶解できます。
  4. ライセートを氷上で超音波処理 (ソニケーション) してください。
  5. 4°Cで5分間遠心分離 (x14,000 rpm) し、上清を新しいチューブに移してください。上清が細胞ライセートです。アッセイ1回分ずつに分注し、-80℃で保存してください。

C. 操作手順

注意:アッセイを始める前に、すべての試薬類を室温に戻してください。

  1. 上記 (セクションA) の試薬をすべて調製してください。
  2. サンプルは希釈せずそのまま用いるか、1X Cell Extraction Bufferで適切な濃度に希釈してください。サンプルは次の手順 (3-4) で等量の抗体カクテルと混ぜ合わせるため、2X タンパク質濃度に調製することで終濃度が1X となることにご注意ください。予備実験で適切なライセート濃度を決定していただくことを推奨しますが、開始濃度を選択するための参考情報として各キットのデータシートに感度曲線を掲載しています。感度曲線は、広範なライセート濃度に渡って典型的な結果を示しています。
  3. 適切なウェルに各サンプルまたはPositive controlをそれぞれ50 μL加えてください。
  4. 各ウェルに抗体カクテルを50 μLずつ加えてください。
  5. キットに同梱されているシーリングテープでプレートをシールし、400 rpm (中程度の振盪速度) に設定した振盪装置上で1時間、室温でインキュベートしてください。
  6. テープを静かに取り除いてウェルを洗浄してください:
    1. 廃棄容器にプレートの内容物を捨ててください。
    2. 各ウェルを1X ELISA Wash Buffer 200​​ μLで3回*洗浄してください。それぞれの洗浄操作で加えた1X ELISA Wash Bufferは、ウェルから吸引除去するか、デカントで廃棄してください。各ウェルに残った液を除去するために、プレートを逆さにし新しいペーパータオルで吸い取ってください。ただし、ウェルは完全に乾燥させないように注意してください。
    3. 糸くずの出ないティッシュ (キムワイプ) で全てのウェルの裏側を拭いてください。

*注意:製品によってはこのステップで追加の洗浄操作が必要なものもあります。追加の洗いが必要な場合は、キットのデータシートにある製品の「説明」欄に明記してあります。

  1. 各ウェルにTMB Substrateを 100 μLずつ加えてください。プレートをテープでシールし、遮光して振盪装置上で (400 rpm、中程度の振盪速度) インキュベートしてください (室温で15分間、または37°Cで10分間)。
  2. 各ウェルにSTOP Solutionを 100 μLずつ加えてください。数秒間静かに振盪してください。

注意:陽性反応の最初の色は青色です。STOP溶液を加えることにより黄色に変わります。

  1. 結果の判定・測定を行なってください:
    1. ​目視による呈色の判定​:STOP溶液を加えてから30分以内に結果を判定してください。
    2. ​吸光度測定​:糸くずの出ないティッシュ (キムワイプ) で全てのウェルの裏側を拭いてください。STOP溶液を加えてから30分以内に吸光度 (450 nm) を測定してください。

更新: 2018年5月

改訂日:2018年11月