抗体の抗原への結合をELISAで正確に測定するには、抗原に対する抗体の特異性が重要です。抗体の特異性が低いと、非特異的なバックグラウンドが高くなります。それに対し、特異的が高い場合でも結合が弱いと洗浄操作で除去されてしまい、微弱なシグナルしか得られなくなります。このような問題や、抗体同士のアッセイ内での交差反応性を避けるため、適切な抗体を選ぶ必要があります。
サンドイッチELISAには、2つの抗体が必要です。1つは標的/抗原の捕捉、もう1つは標的/抗原の検出に利用されます。この2つの組み合わせはよく「マッチドペア」と呼ばれます。2種の抗体でそれぞれに標的を特異的に認識するため、サンドイッチELISAは多くの場合、より高い特異性をもつアッセイになります。
CSTは、最適な抗体ペアを特定したELISAキットをご提供しています。これらは信頼性、再現性の高いデータが得られるように厳密に検証されています。
ELISAプレートは、適切な抗体を用い、特異的な抗体や抗原でコーティングされています。抗原や抗体の受動的な吸着には、プレート表面のプラスチックの化学的な性質や、反応温度、コーティングバッファーのpH、抗原/抗体の濃度、反応時間などが影響するので、これらを最適化する必要があります。
よく使われるコーティングバッファーには、リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)、炭酸水素ナトリウムなどを用いたバッファーがありますが、バッファー条件を試験し、最適化する必要があります。抗原や抗体の吸着との競合を避けるため、コーティングバッファーにはタンパク質成分を加えないことが重要なポイントの一つです。
抗原の捕捉法は、選択したELISAの種類によって異なります。
酵素標識した抗体を標的分子に結合させた後、その基質をウェルに添加します。抗体に結合 (標識) した酵素が基質を反応させ、呈色、化学発光、蛍光といった定量可能なシグナルを産生します。このシグナルをマイクロプレートリーダーで測定し、定量します。
インキュベーション時間と温度を調節することで、最適なS/N比が得られることがあります。