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ChIP-seq用検証済み抗体

ChIP-seq実験を成功させるには、ゲノム全域で、前後のシーケンスによらず標的タンパク質を正しく認識する抗体が必要です。ChIP-qPCRで良好な結果を得られた抗体を用いても、ChIP-seqでは鮮明な結果が得られないこともあります。なぜなら、ChIP-seqでは多数の遺伝子座に渡って標的タンパク質を確実に捕捉する必要があるためです。CSTでは、ChIP-seqで検証済みの抗体を提供するために、組換えウサギモノクローナル抗体とSimpleChIP® EnzymaticプロトコールあるいはSimpleChIP® Sonicationプロトコールを用いて、次世代シーケンシング (NGS) で検証しています。

ChIP-seq抗体検証ステップ

  • すべてのChIP-seq用検証済み抗体は、初めにChIP-qPCR検証プロトコールに従って試験されます。
  • その後、ChIP-seqにおける抗体の感度は、Inputに対するChIPサンプルの比から、ゲノム全域におけるターゲットエンリッチメントのS/N比を分析することで確認します。ChIP-seq用抗体で得られたデータからは、Inputクロマチンと比較して、許容可能な最少数の明確な濃縮ピークと、最低限のバックグラウンドが得られなければなりません。
  • シーケンス特異的なDNA結合転写因子の場合、抗体の特異性は、濃縮されたクロマチン断片のモチーフ解析を行うことで決定されます。
  • 抗体の特異性はさらに、標的タンパク質の異なるエピトープに対する複数の抗体を用いて、ゲノム全域におけるターゲットエンリッチメントを比較することで決定されます。
  • 抗体の特異性は、ひとつのタンパク質複合体の異なるサブユニットの抗体を用いて確認されます。
  • 抗体の特異性は、ゲノム全域におけるターゲットエンリッチメントを公表されているChIP-seqデータ (ENCODEなど) と比較することでも確認されます。

S/N (#2569を使用)

HCT116細胞由来のクロスリンクされたクロマチン、TCF4/TCF7L2 (C48H11) Rabbit mAb #2569 SimpleChIP® Enzymatic Plus Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005を用いてクロマチン免疫沈降を行いました。DNAライブラリーは、SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina® #56795を用いて調製しました。この図は、TCF4/TCF7L2の既知の標的遺伝子であるc-MYC全域のTCF4/TCF7L2の特異的な結合 (上トラック) を、Inputコントロール (下トラック) と比較して示しています。このc-MYC遺伝子全域の平均S/N比は21.58です。

クロマチン免疫沈降

HCT116細胞由来のクロスリンクされたクロマチン、TCF4/TCF7L2 (C48H11) Rabbit mAb #2569 SimpleChIP® Enzymatic Plus Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005を用いてクロマチン免疫沈降を行いました。DNAライブラリーは、SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina® #56795を用いて調製しました。この図に示したように、TCF4/TCF7L2のターゲットエンリッチメント (青線) とInputコントロール (赤線) を比較した、ゲノム全域の平均S/N比は4.44です。

転写因子の抗体特異性

活性炭処理した5% FBSを含む培地で3日間培養したA549細胞を、100 nMデキサメタゾンで1時間処理した後、クロスリンクしたクロマチンサンプルを調製しました。このクロマチンサンプル、Glucocorticoid Receptor (D6H2L) XP® Rabbit mAb #12041SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005を用いて、クロマチン免疫沈降を行ないました。DNAライブラリーは、SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina® #56795を用いて調製しました。この図は、GRの既知の標的遺伝子であるSLC19A2全域のGRの特異的結合 (上トラック) を、Inputコントロール (下トラック) と比較して示したものです。GR抗体でエンリッチされたDNA断片の41%が、既知のグルココルチコイド応答因子結合モチーフGNACANNNTGTNCを含んでいます。

タンパク質複合体の抗体特異性

活性炭処理した5% FBSを含むフェノールレッド不含培地で4日間培養したMCF7細胞を、10 nM β-estradiolで45分間処理した後、クロスリンクしたクロマチンサンプルを調製しました。SMARCC1/BAF155 (D7F8S) Rabbit mAb #11956SMARCB1/BAF47 (D8M1X) Rabbit mAb #91735SS18 (D6I4Z) Rabbit mAb #21792のいずれかと、このクロマチンサンプル、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005を用いてクロマチン免疫沈降を行いました。DNAライブラリーは、SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina® #56795を用いて調製しました。SMARCC1/BAF155、SMARCB1/BAF47、SS18は、すべてSWI/SNF複合体のサブユニットです。予想通り、SWI/SNF複合体サブユニットの3つのタンパク質はすべて、SWI/SNF複合体の既知の標的であるpS2/TFF1遺伝子領域上で、重複した結合パターンを示します。

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