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蛍光ウェスタンブロッティングプロトコール (Milkで一次抗体反応を行う場合)

本プロトコールでは、5% w/v脱脂粉乳、0.1% Tween-20を添加した1X TBSに一次抗体を希釈し、転写膜を緩やかに振盪しながら4℃で一晩インキュベートしてウェスタンブロットを行います。

注意:二色同時検出のウェスタンブロッティングでは、異なる種の一次抗体と、異なる色素で標識した適切な二次抗体が必要です。一次抗体のインキュベーションバッファーが異なる場合は、一次抗体を両方のバッファーで別々にテストし、同時検出に最も適したバッファーを特定してください。

カタログ番号をクリックするとCell Signaling Technology (CST) 製品の情報をご覧いただけます。

A. 溶液および試薬

注意:Milli-Qまたは同等の精製水で溶液を調製してください。

  1. 20X Phospate Buffered Saline (PBS): (#9808):1X PBSを1 L調製する場合、20X PBS 50 mLを精製水 (dH2O) 950 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  2. 1X SDS Sample Buffer: (#7722​、#7723) 62.5 mM Tris-HCl (25°CでpH 6.8)、2% w/v SDS、10%グリセロール、50 mM DTT、0.01% w/v bromophenol blueまたはphenol red
  3. 転写バッファー: 25 mM Tris base、0.2 Mグリシン、20%メタノール (pH 8.5)
  4. 10X Tris Buffered Saline (TBS) (#9997):10X TBSを1 L 調製する場合、Tris base ​24.2 g、NaCl 80 gを精製水に溶解し、HClでpHを7.6に調節してください (1X で使用)
  5. 脱脂粉乳 (#9999)
  6. ブロッキングバッファー:5% w/v脱脂粉乳含有1X TBS。150 mLを調製する場合は、10X TBS 15 mLを精製水 (dH2O) 135 mLに加え、混ぜ合わせてください。脱脂粉乳7.5 gを加えてよく混ぜ合わせ、完全に溶解してください。
  7. 洗浄バッファー: 0.1% Tween-20を添加した1X TBS (TBS/T)。Tris Buffered Saline with Tween® 20 (TBST-10X) (#9997)。
  8. 抗体希釈バッファー: 5%脱脂粉乳、0.1% Tween-20を添加した1X TBS。20 mLを調製する場合は、10X TBS 2​ mLを精製水 18 mLに加えて混ぜ合わせてください。脱脂粉乳1.0 gを加えてよく混ぜ合わせ、完全に溶解してください。撹拌中に、100% Tween-20を20 µL加えてください。
  9. Prestained Protein Marker, Broad Range (Premixed Format) (#7720)
  10. 転写膜:本プロトコールはニトロセルロース転写膜を用いて最適化されています (推奨)。

B. タンパク質のブロッティング

最も汎用的なサンプル調製プロトコール

  1. 目的に応じて調節因子を含む新鮮な培地を加え、細胞を必要時間処理してください。
  2. 培養液から培地を吸引除去し、冷却した1X PBSで細胞を洗浄した後、再度吸引除去してください。
  3. 1X SDSサンプルバッファーを加え (6ウェルプレートは100 µL/ウェル、直径10 cmのプレートは500 µL/プレート)、細胞を溶解してください。直ちにプレートから細胞を掻き取り、抽出物を遠心分離チューブに移してください。氷上に保持してください。
  4. 細胞を完全に溶解しDNAを剪断してサンプルの粘性を下げるため、10-15秒間超音波処理してください。
  5. サンプル20 µLを95-100℃で5分間加熱処理後、氷上で冷却してください。
  6. 5分間遠心分離してください。
  7. SDS-PAGEゲル (10 cm × 10 cm) に20 µLをアプライし、電気泳動してください。

注意:電気泳動確認と分子量決定のために、プレステイン分子量マーカー (#7720、10 µL/lane) もアプライして電気泳動することをお勧めします。着色マーカーは近赤外波長の自家蛍光があります。

  1. ニトロセルロース転写膜に転写してください。

C. 転写膜のブロッキングと抗体反応

注意:10 cm × 10 cm (100 cm2) の転写膜用の必要量を記載しています。サイズの異なる転写膜をご使用の際は、適宜量を調節してください。

  1. オプション:転写後、ニトロセルロース膜を室温で5分間、TBS 25 mLで洗ってください。
  2. 転写膜を室温で1時間、ブロッキングバッファー25 mL中でインキュベートしてください。
  3. TBS/T 15 mLで5分間、3回洗ってください。
  4. 一次抗体反応液10mL (製品のデータシートに記載されている希釈バッファー、希釈率をもとに適切に調製してください) 中で転写膜を静かに振盪しながら、4℃で一晩インキュベートしてください。
  5. TBS/T 15 mLで5分間、3回洗ってください。
  6. 抗体希釈バッファー 10 mLに蛍光標識二次抗体を希釈 (1 mg/mLの原液を1:5000–1:25,000に希釈) して二次抗体反応液を調製し、転写膜を静かに振盪しながら室温で1時間インキュベートしてください。
  7. TBS/T 15 mLで5分間、3回洗ってください。

D. タンパク質の検出

  1. 残りのTBS/Tを除去し、転写膜を乾かしてください。
  2. 適切な蛍光スキャナーを使用して、メーカーの指示に従い転写膜をスキャンしてください。

更新: 2008年5月