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PTMScan®プロテオミクス技術のビデオチュートリアル

PTMScan®技術 – 翻訳後修飾 (PTM) の変化を同定、定量するためのプロテオミクス手法

Jeffrey C. Silva, Charles L. Farnsworth, Xiaoying Jia, Matthew P. Stokes, Albrecht Moritz, Ailan Guo, Roberto D. Polakiewicz, Michael J. Comb, Site Discovery Group and PhosphoScan Services Group, Cell Signaling Technology, Inc.

Cell Signaling Technology (CST) のPTMScan®技術では、抗体ベースのペプチド濃縮の独自の方法論と、液体クロマトグラフィー質量分析 (LC-MS/MS) を組み合わせることで、リン酸化 (PhosphoScan®)、ユビキチン化 (UbiScan®)、アセチル化 (AcetylScan®) のような翻訳後修飾 (PTM) の定量的プロファイルをおこないます。

PTMScan®技術では、CST™のモチーフ抗体を用いて、酵素消化した細胞抽出物中から、特定の翻訳後修飾を受けたペプチドを分離します。このイムノアフィニティ精製技術とLC-MS/MSを併用することで、修飾ペプチドの存在量の変化を同定・定量します。モチーフ抗体は、リン酸化 (チロシン、セリン、スレオニン) ペプチド、アセチル化ペプチド、ユビキチンタグ付きペプチドと特異的に結合し、細胞のリン酸化、アセチル化、ユビキチン化状態の定量的プロファイルを可能にします。

MAPK、mTOR、PI3K/Akt経路は重要なシグナル伝達経路で、発がん性の受容体型チロシンキナーゼ (RTK) の下流で活性化されます。これらの経路はすべてAkt、RSK、p70 S6などといったAGCキナーゼファミリーを活性化します。これらの基質タンパク質は、RxRxxS/Tモチーフ上にリン酸化を受けます。

CSTの研究者が著した最近のリン酸化プロテオミクス研究 (Sci. Signal. (2010) 24;3(136):ra64) によると、300を超えるAGCファミリーキナーゼの基質候補分子が、3種の細胞株で同定され、それぞれEGFR、c-Met、またはPDGFRによって駆動されていました。この実験的なアプローチでは、RxRxxS/Tモチーフ抗体を親和性試薬として用いるPhosphoScan®技術を利用して、Akt、RSK、p70 S6キナーゼのリン酸化基質を選択的に免疫沈降しました。標的となったがんの治療薬をPI3K、mTOR、MEKに特異的な阻害剤とともに用いることで、これらのRTKの下流におけるシグナル伝達ネットワークのマッピングが可能になりました。基質には、足場、タンパク質安定性、代謝、輸送、運動など多様な細胞機能に関与するタンパク質が含まれました。