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ビオチン標識抗体による免疫蛍光染色プロトコール

重要: 製品が培養細胞 (IF-IC)、パラフィン包埋切片 (IF-P) あるいは凍結組織切片 (IF-F) で使用可能かあるかについては、データシートの最初のページのApplicationsセクションをご参照ください。

A. 溶液および試薬

注意:Milli-Qまたは同等の精製水で溶液を調製してください。

  • 10X Phosphate Buffered Saline (PBS): 1 Lを準備する場合は、塩化ナトリウム (NaCl) 80 g、塩化カリウム (KCl) 2 g、リン酸水素ナトリウム (Na2HPO4) 14.4 g、リン酸カリウム (KH2PO4) 2.4 gを精製水 (dH2O) 1 Lに溶解してください。pHを8.0に調整してください。
  • ホルムアルデヒド (16%、メタノール不含、Polysciences, Inc. (cat# 18814)):新しい物を使用し、開封した瓶は暗所4°Cで保存し、使用の際はPBSで希釈してください。
  • ブロッキングバッファー (1X PBS/5% Normal Goat Serum (#5425)/0.3% Triton™ X-100):
    25 mLを調製する場合は、10X PBS 2.5 mL、二次抗体の免疫動物と同種の正常血清1.25 mL (例えば、正常ヤギ血清、正常ロバ血清) を精製水 (dH2O) 21.25 mLに加えてよく混ぜ合わせてください。撹拌しながら、Triton X-100 75 μLを加えてください。
  • 抗体希釈バッファー (1X PBS/1% BSA/ 0.3% TritonX-100):
    40 mLを調製する場合は、10X PBS 4 mLを精製水 (dH2O) 36 mLに加えて混ぜ合わせてください。0.4 gのBSAを加えてよく混ぜ合わせてください。撹拌しながら、Triton X-100 120 μLを加えてください。
  • 蛍光標識アビジン/ストレプトアビジン
    注意:蛍光標識アビジン/ストレプトアビジンを初めて使用する場合や、初めて使用する一次抗体については、タイトレーションを十分に行い、特異的シグナルが最も強く得られ、バックグラウンドが最小限に抑えられる希釈率を決定してください。
  • Prolong Gold AntiFade Reagent (#9071) またはProlong Gold AntiFade Reagent with DAPI (#8961)

IF-Pアプリケーションに特徴的な試薬:

  • キシレン
  • エタノール、無水変性、病理学グレード、100%および95%
  • 抗原賦活化:
    • クエン酸: 10 mMクエン酸ナトリウムバッファー:1 Lを調製する場合は、クエン酸三ナトリウム二水和物 (C6H5Na3O7•2H2O) 2.94 gを、精製水 (dH2O) 1 Lに加えてください。pHを6.0に調整してください。
    • EDTA: 1 mM EDTA:1 Lを調製する場合は、EDTA (C10H14N2O8Na2•2H2O) 0.372 gを精製水 (dH2O) 1 Lに加えてください。pHを8.0に調整してください。

B. 試料作製

I. 培養細胞株 (IF-IC)

注意:マルチウェルプレート、チェンバースライドあるいはカバーガラス上で直接細胞を培養、薬剤処理、固定および染色してください。

  1. 細胞をPBSで軽く洗ってください。
  2. PBSを吸引除去し、細胞が2​-3 mm浸る程度に、4%ホルムアルデヒド (PBSで希釈) を加えてください。
    注意:ホルムアルデヒドは毒性がありますので、ドラフト内でのみ使用してください。
  3. 細胞を室温で15分間固定してください。
  4. 固定液を吸引除去し、PBSで各5分間、3回洗ってください。
  5. 免疫染色に進んでください (セクションC)。

II. パラフィン切片 (IF-P)

注意:本手順実施中、絶対にスライドを乾燥させないようにしてください。

  1. 脱パラフィン/再水和
    1. キシレンで切片を各5分間、3回インキュベートしてください。
    2. 100%エタノールで切片を各10分間、2回インキュベートしてください。
    3. 95%エタノールで切片を各10分間、2回インキュベートしてください。
    4. 切片を、精製水 (dH2O)で各5分間、2回すすいでください。
  2. 抗原賦活化:
    注意:製品データシートを参照し、製品ごとの推奨賦活化液をご確認ください。
    1. クエン酸の場合:10 mM クエン酸ナトリウムバッファー (pH 6.0) にスライドを入れて沸騰させた後、沸騰直前の温度を10分間維持してください。スライドを実験台で30分間冷却してください。
    2. EDTAの場合:1 mM EDTA (pH 8.0) にスライドを浸漬して沸騰させた後、15分間沸騰直前の温度を維持してください。その後の冷却は必要ありません。
  3. 免疫染色 (セクションC) に進んでください。

III. 凍結/クリオスタット切片 (IF-F)

  1. 固定済み凍結組織切片の場合、免疫染色操作に進んでください (セクションC)。
  2. 作製したての未固定の凍結切片の場合は、下記方法で直ちに固定してください。
    1. 2–4%ホルムアルデヒド (PBSで希釈) に切片を浸してください。
      注意:ホルムアルデヒドは毒性がありますので、ドラフト内でのみ使用してください。
    2. 切片を室温で15分間固定してください。
    3. PBSでスライドを各5分間、3回洗ってください。
    4. 免疫染色 (セクションC) に進んでください。

C. 免疫染色

注意:特に記載がない限り、下記全てのインキュベーションは室温で行い、乾燥と蛍光色素の退色を防ぐため、湿度の高い遮光箱または蓋付きのディッシュ/プレートに入れてください。

注意:内在性ビオチン濃度が高い組織や細胞を使用する場合は、このセクションのステップ1を始める前に、ビオチンのブロッキング (Endogenous Biotin-Blocking Kit、Invitrogen​ Cat. #E21390など) が必要なことがあります。

  1. ブロッキングバッファーでサンプルを60分間ブロッキングしてください。
  2. ブロッキングしている間に、データシートの記載に従って一次抗体を抗体希釈バッファーで希釈してください。
  3. ブロッキング液を吸引除去し、希釈した一次抗体を加えてください。
  4. 4℃で一晩インキュベートしてください。
  5. PBSで各5分間、3回洗ってください。
  6. 抗体希釈バッファーで希釈した蛍光標識アビジン/ストレプトアビジンをサンプルに加え、遮光して室温で30分間インキュベートしてください。
  7. PBSで各5分間、3回洗ってください。
  8. Prolong Gold Antifade Reagent (#9071) またはProlong Gold Antifade Reagent with DAPI#8961) を加え、カバーガラスで封入してください。
  9. 最良の結果を得るために、直ちに適切な励起波長で染色像を観察してください。スライドを長期保存する際は、4°C、暗所で水平にして保存してください。

更新:2009年1月

改訂日:2011年8月