このプロトコールは、非変性構造において抗体がエピトープにアクセスできないようなタンパク質を変性させて免疫沈降する場合にご使用いただけます。
A. 溶液および試薬
注意:Milli-Qまたは同等の精製水で溶液を調製してください。
- Denaturing Cell Lysis Buffer: 50 mM Tris (pH 7.5)、70 mM β-Mercaptoethanol (β-ME)。使用直前にβ-MEを加えてください。予め10分間ボイルしてください。
- Cell Lysis Buffer (1X): (#9803) 20 mM Tris (pH 7.5)、150 mM NaCl、1 mM EDTA、1 mM EGTA、1% Triton X-100、2.5 mM sodium pyrophosphate、1 mM β-glycerophosphate、1 mM Na3VO4、1 µg/mL Leupeptin
注意:使用直前に1 mM PMSFを加えてください。
- Protein AまたはGアガロースビーズ: ラビットIgGの免疫沈降にはProtein A (#9863) を、マウスIgGの免疫沈降にはProtein Gを使用してください。
- 3X SDS sample buffer: 187.5 mM Tris-HCl (25°CでpH 6.8)、6% w/v SDS、30% グリセロール、150 mM DTT、0.03% w/v bromophenol blue。Blue Loading Buffer Pack (#7722)。
B. 細胞ライセートの調製
- 培地を吸引してください。目的に応じて調節因子を含む新鮮な培地を加え、細胞を必要時間処理してください。
- 変性状態で細胞を回収するために、培地を取り除きPBSで細胞を1回すすいでください。
- PBSを除去し、Denaturing Cell Lysis Buffer 0.4 mL (使用直前に予め10分間ボイル済み) を各プレート (150 x 25 mm) に加えてください。
- すぐにプレートから細胞を擦り落して、2.5 mLチューブに移してください。
- 10分間ボイルしてください。
- 氷冷した1X Cell Lysis Bufferを4倍量 (1.6 mL) 加えてください。これが細胞ライセートです。必要に応じて、ライセートは–80°Cで保存することができます。
C. 免疫沈降
- 細胞ライセート200 µLに一次抗体を加えて、4°Cで一晩、静かに振盪しながらインキュベートしてください。
- Protein AまたはGアガロースビーズ (50%ビーズスラリー20 µL) を加えてください。静かに振盪しながら4°Cで1-3時間インキュベートしてください。
- 4°Cで30秒間、遠心してください。ペレットを1X Cell Lysis Buffer 500 µLで5回洗ってください。洗いの操作は氷上で行ってください。
- 3X SDSサンプルバッファー20 µLにペレットを再懸濁してください。ボルテックスした後、30秒間遠心分離してください。
- サンプルを95-100°Cで2-5分間加熱してください。
- サンプル (15-30 µL) をSDS-PAGEゲル (12–15%) にロードしてください。
- ウェスタンブロッティングでサンプルを解析してください (ウェスタンブロッティングプロトコールを参照してください)。