次の製品の専用プロトコールです: KinomeView® Profiling Kit #9812
注意:KinomeView®キットに含まれる抗体は全て、ウェスタンブロットに用いた場合、化学発光-X線フィルムで検出できることが確認されています。しかし、高分解能イメージングが必要な場合は、LI-COR Odysseyシステムでイメージングすることをお薦めします。
A. SDS-PAGE:
ウェスタンブロット解析には、通常プレキャスト4-20%ゲルを使用しています。
注意:プレキャストゲルは、なるべく新しいものを使用してください (製造日より4週以内) 。経験上、8週間を超えるプレキャストPAGEゲルを用いると、結果に悪影響を及ぼすことがあります。
B. 溶液および試薬
注意:Milli-Qまたは同等の精製水で溶液を調製してください。
- Cell Lysis Buffer (10X) #9803
- SDSサンプルバッファー (3X):Blue Loading Buffer Pack #7722またはRed Loading Buffer Pack #7723
- 転写バッファー: 25 mM Tris base、0.2 Mグリシン、20%メタノール (pH 8.5)
- 10X Tris Buffered Saline (TBS) 10X TBSを1 L調製する場合、Tris base 24.2 g、NaCl 80 gを精製水に溶解し、HClでpHを7.6に調節してください (1X で使用)
- 10X Tris Buffered Saline with Tween 20 (TBST-10X) #9997
- 脱脂粉乳#9999
- ブロッキングバッファー (X線フィルム): 5% w/v 脱脂粉乳を含むTBST (0.1% Tween-20含有1X TBS)
- ブロッキングバッファー (LI-COR): 5% w/v 脱脂粉乳を含む1X TBS
- 洗浄バッファー: 0.1% Tween-20を含む1X TBS (TBST)
- ウシ血清アルブミン (BSA) #9998
- 一次抗体希釈バッファー: 5% BSAを含むTBST (0.1% Tween-20含有1X TBS)
- 化学発光の検出システム (二次抗体が含まれています) : Phototope®-HRP Western Blot Detection System, Anti-rabbit IgG, HRP-linked Antibody #7071および、Phototope®-HRP Western Blot Detection System, Anti-mouse IgG, HRP-linked Antibody #7072 ( 本製品には、Biotinylated Protein Ladder Detection Pack #7727; Anti-rabbit IgG, HRP-linked Antibody #7074; Anti-mouse IgG, HRP-linked Antibody #7076、Anti-biotin, HRP-linked Antibody #7075、20X LumiGLO Reagent and 20X Peroxide #7003が含まれています。
- DyLight標識二次抗体: Anti-mouse IgG (H+L) (DyLight 680 Conjugate) #5470; Anti-mouse IgG (H+L) (DyLight 800 Conjugate) #5257; Anti-rabbit IgG (H+L) (DyLight 680 Conjugate) #5366; Anti-rabbit IgG (H+L) (DyLight 800 Conjugate) #5151。
- Prestained Protein Marker, Broad Range (Premixed Format) #7720
- 転写膜:このプロトコールはニトロセルロース転写膜を用いて最適化されています
C.サンプル調製とSDS-PAGEの泳動
- 培養細胞または組織サンプルを1XのCell Lysis Buffer (10X) #9803で溶解し、ライセートを超音波処理してください。不溶性の細胞デブリを沈殿させるため、ライセートを遠心分離してください。
- ライセートのタンパク質濃度を確認してください。SDS-PAGEローディングバッファー内で、ライセートのタンパク質濃度を1 – 2 µg/µLに調整することにより、ローディングストックを調製してください。
- SDS-PAGEの各レーンに20 – 30 µgのタンパク質ライセート (10 – 20 µL) をロードしてください。X線フィルムを使用する場合、5 µLのPrestained Protein MarkerおよびBiotinylated Protein Ladderもそれぞれ1つのレーンにロードしてください。LI-COR Odysseyシステムを使用している場合、5 µLのPrestained Protein Markerもレーンの1つにロードしてください。色素がゲルの底に到達するまで、130 Vで電気泳動してください。
注意:ビオチン標識されたマーカーは、抗ビオチン抗体で検出できます。事前染色されたタンパク質マーカーは、LI-COR Odysseyシステムで自家蛍光が検出されます。 - ニトロセルロース転写膜に転写してください。
D. 転写膜のブロッキングと抗体インキュベーション
I. 転写膜のブロッキング
- 検出系に対応したブロッキングバッファー 中で、転写膜を緩やかに振盪しながら1時間室温でインキュベートしてください。
- TBS/Tで軽く洗ってください。
II. 一次抗体反応
- 一次抗体反応液 (一次抗体原液を一次抗体希釈バッファーで1:1000希釈) 中で、転写膜を4°Cで一晩緩やかに振盪しながらインキュベートしてください。
- TBS/Tで各5分間、3回洗ってください。
III. 二次抗体反応:
X線フィルム:
- 二次抗体反応液 (一次抗体の免疫動物種に対応したHRP標識二次抗体をブロッキングバッファーに1:2000希釈して調製してください。ビオチン標識プロテインマーカーの検出も行う場合はさらに、Anti-biotin, HRP-linked Antibody #7075を1:1000希釈で加えてください。) 中で、転写膜を1時間室温でインキュベートしてください。
- TBS/Tで各5分間、3回洗ってください。
- セクションEの検出ステップへ進んでください。
LI-COR Odysseyシステム:
- 二次抗体反応液 (一次抗体の免疫動物種に対応した色素標識二次抗体をLI-CORブロッキングバッファーで1:10,000希釈して調製してください) 中で、転写膜を緩やかに振盪しながら1時間室温でインキュベートしてください。
- TBS/Tで各5分間、3回洗ってください。
- 転写膜を室温で乾燥させてください。転写膜を乾燥した後はすぐに検出することができますが、室温で保存した後に検出することもできます。
E. タンパク質の検出
X線フィルム:
- 転写膜を10 mlのLumiGLO (0.5 ml 20X LumiGLO, 0.5 ml 20X Peroxide、9.0 ml Milli-Q水) 中で緩やかに振盪しながら、室温で1分間インキュベートしてください。
注意:反応が速すぎる場合は、LumiGLO基質をさらに希釈して使用してください。 - 転写膜の余分な液を除去し (この時、乾燥させないようにご注意ください)、ラップで包んでX線フィルムに露光してください。初めに10秒間の露光をして、適度な露光時間を予測することができます。
注意:検出反応の速度論に従い、シグナルはLumiGLOインキュベーション開始直後が最も強く、2時間かけて減退します。
LI-COR Odysseyシステム:
- 転写膜をOdyssey 赤外イメージングシステムで読み取ります。