原がん遺伝子として発見された、セリン/スレオニンキナーゼであるAkt (プロテインキナーゼBまたはPKBとしても知られる) は、がんの進行のほか、インスリン代謝など、様々な細胞プロセスの制御に関与しており、注目を集めてきました。Aktには3つの近縁のアイソフォーム (Akt1、Akt2、Akt3) があり、これらはPI3Kのシグナル伝達において、中心的な役割を果たしています。
Aktは、リン脂質との結合によって活性化されC末端に位置するSer473がリン酸化されます。
Y294002 #9901 (PI3キナーゼ特異的阻害剤で、Aktのリン酸化を阻害する) で処理したヒト前立腺がん細胞株、LNCaP細胞ペレットのパラフィン包埋切片と、未処理コントロール切片をIHCで染色しました (図A)。ヒト乳がん組織も同様に、IHCで染色しました (図B)。
まず最初に、細胞ペレットを用いてPhospho-Akt (Ser473) (D9E) XP® Rabbit mAb #4060と他社製品のphospho-Akt antibodyの最適希釈率を決定しました (図A)。
その後、至適希釈率でこれらの抗体を用い、ヒト乳がん組織の染色で、2つの抗体を比較しました (図B)。#4060で染色した場合、他社製品を用いた場合と比較して、有意に強く、特異的な染色像が得られました。
細胞ペレットを染色した場合は、CST製品、他社製品とも良好な染色像が得られましたが、組織染色ではより高いレベルの感度が求められ、#4060を用いた染色で、より明瞭な染色像が得られました。
機能:Aktは、リン脂質との結合によって活性化されC末端に位置するSer473がリン酸化されます。
サンプル:C2C12マウス筋前駆細胞を、LY294002 #9901 (PI3キナーゼ特異的阻害剤で、Aktのリン酸化を阻害する) もしくは、インスリン (Aktのリン酸化を誘導する) で処理しました。
結果:実験で使用した抗体濃度は以下の通りです。
このことから、#4060は、より低濃度で用いても、強いシグナル得られることが分かります。
結果: 実験で使用した抗体濃度は以下の通りです。
このことから、#4060は、より低濃度で用いても、強いシグナル得られることが分かります。
機能:Aktは、リン脂質の結合とカルボキシ末端に位置するSer473のリン酸化によって活性化されます。
サンプル:Jurkat細胞を、Calyculin A #9902 (強力なホスファターゼ阻害剤で、既存のAktリン酸化を保持する)、または、LY294002 #9901 (PI3キナーゼ特異的阻害剤で、Aktのリン酸化を阻害する) で処理しました。
CST #4060 | 他社製品 1 | 他社製品 2 | |
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製品 | 4060 | ||
希釈率 | 1:2000 | 1:200* | 1:2500* |
濃度 (μg/mL) | 0.043 | 0.5 | 0.2 |
*メーカー推奨の初回検証希釈率