モチーフ抗体がカバーする範囲の図

リン酸化チロシン抗体はチロシン残基がリン酸化されたタンパク質と広く反応します。EGF処理によるEGF受容体刺激においてチロシンリン酸化の誘導が観察されており、そのリン酸化はチロシンキナーゼ阻害剤のゲフィチニブにより阻害されます。

この抗体は、-3の位置にリジンまたはアルギニンを有する、セリン残基またはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します -3。このモチーフを含むタンパク質のリン酸化はEGF処理により誘導され、ゲフィチニブのようなチロシンキナーゼ阻害剤により阻害されます。

この抗体は、-5と-3の位置にリジンまたはアルギニンを有する、セリン残基もしくはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。このモチーフを含むタンパク質のリン酸化はEGF処理により誘導され、ゲフィチニブのようなチロシンキナーゼ阻害剤により阻害されます。

この抗体は、+2の位置にアルギニンまたはリジンを有するスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。このモチーフのリン酸化は、ノコダゾール処理による有糸分裂停止時に誘導されます。

この抗体は、-2と+2の位置にアルギニンまたはリジン、+1の位置に疎水性残基を有するセリン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。ここに示したデータは、UV処理またはノコダゾール処理による細胞周期停止時に誘導されたこのモチーフを含むリン酸化タンパク質について説明しています。また、このモチーフを含むリン酸化タンパク質は、ホルボールエステル (PMA) およびイオノマイシン処理により、強く活性化されます (データは示していません)。

この抗体は、-2および+1の位置に近位プロリン残基を有するスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。MAPKやCDKなどのCMGCファミリーのキナーゼは、このモチーフを有する基質をリン酸化します。このモチーフのリン酸化の変化は、ノコダゾールによる有糸分裂停止だけでなく、U0126によるMEK/ERKシグナル伝達の阻害でも検出されます。

この抗体は、-2および+1の位置に近位プロリン残基を有するセリン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。MAPKやCDKなどのCMGCファミリーのキナーゼは、このモチーフを有する基質をリン酸化します。このモチーフのリン酸化の変化は、ノコダゾールによる有糸分裂停止だけでなく、U0126によるMEK/ERKシグナル伝達の阻害でも検出されます。

この抗体は、ATM/ATR非定型プロテインキナーゼなどのキナーゼの基質に見られる配列モチーフである、リン酸化セリンまたはリン酸化スレオニンの後にグルタミンが続き+2の位置にグリシンが存在するタンパク質と広く反応します。リン酸化は、紫外線により誘発されたDNA損傷およびATM活性化により刺激されます。

この抗体は、ATM/ATR非定型プロテインキナーゼを含むキナーゼの基質に見られる配列モチーフである、リン酸化セリンまたはリン酸化スレオニンの後にグルタミンが続くタンパク質と広く反応します。この抗体で検出されるリン酸化は、ノコダゾールによる細胞周期停止に刺激されます。

この抗体はMAPKやCDKのファミリーにより認識されるモチーフである、+1の位置にプロリンを有するスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。ノコダゾール処理によりリン酸化の増加が観察されており、これらのキナーゼが細胞周期の調節で果たしている役割に合致しています。

この抗体は、-3の位置にアルギニンを有するセリン残基またはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応し、-5の位置にロイシンがあればより強く反応します。このモチーフは、PKDファミリーのキナーゼ基質などのリン酸化タンパク質に認められます。

この抗体は、+1と+3の位置に酸性残基であるアスパラギン酸かグルタミン酸を有する、セリン残基またはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。このモチーフを含むリン酸化タンパク質には、CKII (casein kinase II) の基質などがあります。CKIIファミリーのキナーゼは、細胞の分化、遺伝毒性ストレス応答、細胞周期の制御に関与しています。

この抗体は、-2と-3の位置にアルギニンを有するセリン残基またはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。この配列モチーフは、PKAなどのAGCファミリーキナーゼの基質で頻繁に見られます。

この抗体は、-1と+1の位置でチロシンまたはフェニルアラニン、-4の位置でフェニルアラニンなど、疎水性アミノ酸で囲まれているセリン残基またはスレオニン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。このような疎水性モチーフを含む基質をリン酸化するキナーゼは、様々なシグナル伝達経路に関与しています。

この抗体は、-1と+3の位置にアルギニンまたはリジン、+1の位置でプロリンに囲まれているセリン残基がリン酸化されているタンパク質と広く反応します。CDKファミリーのキナーゼはこのモチーフを含む基質をリン酸化し、リン酸化はノコダゾールによる細胞周期停止により誘導されます。