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PTMScan® グリコシル化

グリコシル化、タンパク質への炭水化物基の共有結合的付加は、通常の翻訳後修飾であり、タンパク質の構造、安定性およびシグナル伝達に影響します。グリコシル化は、イムノグロブリンを含む膜と分泌タンパク質で、特に重要です。N-結合グリコシル化は、タンパク質のアスパラギン残基へのグリカン基の付加を含み、これらのグリカンは、しばしば、末端シアル酸基を含みます。プロテアーゼ消化の後に、シアル酸含有グリコペプチドは、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)により濃縮することができ、その中では、正に荷電した金属イオンは、負に荷電したシアル酸基と相互作用します。

従来は、質量分析に基づいたグリコシル化のプロテオミック解析は、ペプチドの配列や、グリカンの構造の同時解明ではなく、グリコシル化ペプチドの同定や、グリカンそれ自身の構造のいずれかに焦点が合わせられていましたPTMScan® Glycosylation profilingは、同時にペプチドの配列と、グリカンの構造の両方を提供します。このことは、数百から数千のグリコシル化ペプチドを、それに含まれるグリカン基の構造と共に同定して定量することを可能にします。 PTMScan® Glycosylation分析を用いることで、血清または媒体サンプル中のグリコシル化の展望をプロファイル化でき、特定の処理により調節されたグリコシル化のイベントを見出すために展望の変化を定量化することができます。

PTMScan Glycosylation profilingを用いて同定されたグリコペプチドのMS/MSスペクトル

PTMScan Glycosylation profilingを用いて同定されたグリコペプチドのMS/MSスペクトルペプチド配列とグリカンの構造の両方が同じスペクトルから決定されます。ペプチド骨格に対応する断片イオン(bとyイオン)およびグリカン基 (構造と個別の糖単位) が示されています。