シトシン塩基でのDNAメチル化は、遺伝子発現を調節して細胞の増殖と分化を制御する極めて重要なエピジェネティック修飾です。DNMT3Aの過剰発現あるいはTET2の不活性化によるこのメチル化の調節不全は、局所的なDNA高メチル化を引き起こす可能性があります。このことは、がん抑制遺伝子の転写抑制あるいはCTCFタンパク質の移動により、骨髄異形成症候群 (MDS) や急性骨髄性白血病 (AML) の病因となって、がん遺伝子の異常な発現をもたらします。
DNMT3Aはメチルトランスフェラーゼであり、MDSやAMLでしばしば変異が見られます。
メチルトランスフェラーゼTET2の不活性化は、MDSやAMLの最もよく見られる原因の1つです。
DNMT3Aの過剰発現あるいはTET2の不活性化による、5-メチルシトシン (5-mC) と5-ヒドロキシメチルシトシン (5-hmC) の量の変化に注意が必要です。