MAPK/Erkのシグナル伝達カスケードは、受容体型チロシンキナーゼ (RTK) やインテグリン、イオンチャネルなど、細胞の増殖や分化に関与する様々な種類の受容体によって活性化されます。カスケードの具体的な構成因子は刺激因子によって異なりますが、通常、パスウェイは一連のアダプター (Shc、GRB2、Crkなど) から構成されます。これらはグアニンヌクレオチド交換因子 (SOS、C3Gなど) に対する受容体に結合して低分子GTP結合タンパク質 (Ras、Rap1) にシグナルを伝達し、それが今度はMAPKKK (Raf)、MAPKK (MEK1/2)、MAPK (Erk) で構成されるカスケードのコアユニットを活性化します。活性化されたErk二量体は、細胞質基質の標的を制御するとともに核内に移行し、そこで遺伝子発現を制御する様々な転写因子をリン酸化します。
この図をレビューして下さった、ハーバード大学医学大学院 (マサチューセッツ州、ボストン) のJohn Blenis教授に感謝いたします。
作成日:2003年1月
改訂日:2012年10月