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ストレス顆粒:神経変性との関連性を解読

 

演者:Benjamin Wolozin医学博士 (ボストン大学医学部)、Dorothee Dormann博士 (ヨハネス・グーテンベルク大学)

ストレス顆粒 (SG) は、細胞内で液液相分離 (LLPS) により形成される、膜のない区画からなる生体分子凝縮体の一種です。RNA結合タンパク質 (RBP) などのタンパク質を凝縮し、生化学的反応を行うことが分かっています。細胞が急激な生物的および非生物的ストレスにさらされると、核内のRBPが細胞質に移動し、SG形成となり、細胞の生存を促進します。TIA1FUSTDP43hnRNPA1などのSGタンパク質の変異は、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、前頭側頭型認知症 (FTD) などの神経変性疾患で観察されており、LLPSを制御するメカニズムと疾患の進行との間に関連性がある可能性が示されています。研究によると、SGの液液相分離は、より固体に近い状態への異常な相転移を起こし、タウや他のタンパク質の凝集体の形成につながる可能性があります。従って、核と細胞質間の輸送や翻訳後修飾などのLLPSを制御する機構のさらなる理解により、斬新な治療法につながる可能性がある、凝集体形成の新たな枠組みを解明することができます。

本ウェビナーでは、以下の内容をご覧いただけます:

  • SGの動的さに影響を与える様々な要因
  • ALSやFTDに関与するSGタンパク質を制御する、近年発見された相分離機構
  • SGの挙動と神経変性疾患との関連性に関する知見

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