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Listen to Your Gut:炎症性消化管疾患における免疫細胞の役割を解読する

 

講演者:Fabio Cominelli博士 (ケース・ウェスタン・リザーブ大学) 、Subra Kugathasan博士 (エモリー大学)

何百万人もの成人が、クローン病 (CD) や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患 (IBD)、クローン回腸炎やCD様回腸炎などの回腸炎 (回腸の炎症) といった、消化管に影響を及ぼす炎症性疾患を抱えています。これらの疾患の特徴は消化管の慢性的な炎症で、腸粘膜関門の障害や腸内毒素症のほか、自然免疫系と共生細菌の間の情報伝達の障害により、痛みを伴う症状がみられます。これには、環境要因 (動物性タンパク質源と植物性タンパク質源のバランスといった患者の食習慣など) と遺伝的要因 (免疫やオートファジー、貪食に関与するNOD2やATG16L1の多型など) が影響を及ぼします。消化管細胞、免疫細胞、微生物叢の交差点は非常に重要な情報伝達軸であり、インターロイキン (IL-1など) などの誤ったシグナル伝達の接合が、機能不全や疾患の原因となります。腸全体に広がる腸管関連リンパ組織は身体の免疫系の重要な部分を構成しており、ヒトの腸にはCD8+T細胞などの免疫細胞が大量に存在し、これらがIBDによる組織障害に寄与することが明らかにされています。演者らはこのウェビナーで、自然免疫細胞の機能の変化がCD様回腸炎やIBDなどの原因となる炎症性疾患と、このような炎症を引き起こすメカニズムを緩和することが期待される方法を説明します。