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PTMScan:翻訳後修飾のプロテオミクス

 

Cell Signaling Technology (CST) のPTMScan®技術では、抗体ベースのペプチド濃縮の独自の方法論と、液体クロマトグラフィータンデム質量分析 (LC-MS/MS) を組み合わせることにより、リン酸化 (PhosphoScan®)、ユビキチン化 (UbiScan®)、アセチル化 (AcetylScan®) のような翻訳後修飾 (PTM) の定量的プロファイルをおこないます。

PTMScan技術では、CSTのモチーフ抗体を用いて、酵素消化した細胞抽出物中から、特定の翻訳後修飾を受けた、予め決定されたペプチドを分離します。このイムノアフィニティ精製技術とLC-MS/MSを併用することで、修飾ペプチドの存在量の変化を同定・定量します。モチーフ抗体は、リン酸化 (チロシン、セリン、スレオニン) ペプチド、アセチル化ペプチド、ユビキチンタグ付きペプチドと特異的に結合し、細胞のリン酸化、アセチル化、ユビキチン化状態の定量的プロファイルを可能にします。

MAPK、mTOR、PI3K/Akt経路は重要なシグナル伝達経路で、発がん性の受容体型チロシンキナーゼ (RTK) の下流で活性化されます。これらの経路はすべてAkt、RSK、p70 S6などといったAGCキナーゼファミリーを活性化します。これらの基質タンパク質は、RxRxxS/Tモチーフ上にリン酸化を受けます。

CSTの研究者が執筆した、最新のリン酸化プロテオミクス研究 (Sci.. Signaling) によれば、300を超えると推定されるAGCファミリーキナーゼの基質が、3種の細胞株で同定され、それぞれEGFR、c-Met、またはPDGFRのいずれかで駆動されていました。この実験的なアプローチでは、Akt、RSK、p70 S6キナーゼのリン酸化基質を選択的に免疫沈降するために、RxRxxS/Tモチーフ抗体を親和性試薬として用いるPhosphoScan®技術を利用しました。標的となったがんの治療薬をPI3K、mTOR、MEKに特異的な阻害剤とともに用いることで、これらのRTKの下流におけるシグナル伝達ネットワークのマッピングが可能になりました。基質には、足場、タンパク質安定性、代謝、輸送、運動など多様な細胞機能に関与するタンパク質が含まれました。

AcetylScan、Cell Signaling Technology、CST、PhosphoScan、PTMScan、およびUbiScanは、Cell Signaling Technology, Inc.の登録商標です。