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神経変性を読み解く:炎症、免疫応答、アルツハイマー病

 
 

演者:Beth Stevens博士 (Children's Hospital Boston) とTodd E. Golde博士 (U. Florida)

神経系と免疫系は、健康な状態でも疾患状態にあるときでも、相互作用しているという認識が高まっています。これにより、神経変性疾患における神経炎症の役割と分子特性を定義することが可能になります。自然免疫系の慢性的な活性化は神経変性の根本的な要因として広く知られており、中枢神経系ニューロンの進行性の機能不全と喪失は、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの認知障害や運動障害につながります。脳の主要な免疫細胞であるミクログリアは脳のホメオスタシスの維持に重要ですが、加齢の過程と神経変性疾患においてその機能が失われます。疾患のストレス要因への自然免疫応答の大半はミクログリアが仲介しており、血管周囲のマクロファージと末梢骨髄細胞集団も罹患した脳へのアクセスを得て神経炎症シグナル伝達に関与します。したがって、免疫応答がどのように神経ホメオスタシスを調節するか、また病態において調節不全に至る状況をより理解することが、効果的な治療法を開発し疾患の影響を最小限にとどめるために重要です。このウェビナーでは、免疫応答を介した神経変性疾患の発症に関する研究を紹介し、健常者と患者におけるミクログリアの機能の遺伝的および生理学的な調節について説明します。