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後シナプスのシグナル伝達

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後シナプスのシグナル伝達

パスウェイの説明:

興奮性シナプス

興奮性シナプス後膜は、N-Cadherin、Ephrinリガンドとその受容体 (EphR)、結合パートナー/細胞接着分子であるNeurexinとNeuroligin 1/3の相互作用によって、シナプスを介してシナプス前膜と接続しています。これらの分子は一緒になってシナプス間隙を安定化し、神経伝達を仲介します。グルタミン酸は、シナプス前小胞からシナプス間隙に放出される、支配的で標準的な興奮性神経伝達物質です。その中核となる興奮性シナプス後受容体は、AMPA受容体、NMDA受容体、代謝型グルタミン酸受容体 (mGluR) です。

AMPA受容体 (AMPAR) は、四量体イオンチャネル型グルタミン酸受容体です。AMPARのC末端側には固有のPDZドメインがあり、これにより、各サブユニットは別々の足場タンパク質と相互作用し、受容体は細胞骨格に固定されます。例えば、AMPAR四量体の2つのサブユニットGluA2とGluA3は、7つのPDZドメインを持つアダプタータンパク質GRIP1、またPICK1と、PDZドメインを介して直接的なタンパク質相互作用を形成します。重要なことに、PDZドメインの非互換性により、AMPARはStargazinとして知られるTARPタンパク質と直接的な結合を介して、シナプス後肥厚部の重要なタンパク質であるPSD-95と間接的に相互作用します。GRIP1は、EphRおよびRasグアニンヌクレオチド交換因子であるGRASPにも結合します。GRASPは、AMPARの標的化と膜への取り込みを阻害することによって、シナプス可塑性に影響を及ぼします。さらに、Neuronal Pentraxin (NP1、NARP、NPR) は前シナプスに分泌され、AMPARの内在化やクラスター化に関与している可能性があります。GRASPとNeuronal Pentraxinの他にも、AMPARはリン酸化イベントを介して厳密に制御されています。CaMKII、JNK、FYN、PKC、PKGはすべてAMPARをリン酸化し、さらにAMPARの局在化とイオンチャネルの透過性に影響することによって、シナプス可塑性に貢献します (受容体のリサイクルと小胞からAMPARとTARPの両方のシナプス膜への移行は、リン酸化イベントによって調節されます)。AMPARの継続的な交換は、細胞表面にて内外への輸送を制御するAMPARの動的なリン酸化だけでなく、側方拡散を介して行われます。これはそれぞれ、長期増強 (LTP、シナプスの強化) および長期抑圧 (LTD、シナプスの弱体化) の分子メカニズムを表している可能性があります。2つのホスファターゼPP1とPP2Bは、興奮性シナプス後肥厚部にてキナーゼに作用して不活性化します。LTPとLTDは経験に依存した可塑性を形成し、脳の学習と記憶機能に大きな役割を果たします。

NMDA受容体 (NMDAR) もシナプス可塑性に大きな役割を果たします。NMDARは、AMPARと同じく、イオンチャネル型グルタミン酸受容体です。NMDARはグルタミン酸が結合すると活性化され、非選択的な電圧依存性イオンチャネルが開きます。AMPARを介したシナプス後ニューロンの脱分極によって、NMDAの孔から抑制性カチオンが取り除かれ、Na2+とCa2+の細胞内への流入とK+の細胞外への流出が可能になります。Ca2+の流入とCaMKIIの活性化は、LTP成立の重要な最初のステップです。AMPARと同様に、小胞からシナプス後膜へのNMDAR受容体の輸送は、常駐するキナーゼとホスファターゼによって仲介されます。ただし、AMPARとは異なり、NMDARのサブユニットはPSD-95に直接結合できます。PSD-95との相互作用は、リン酸化イベントとともに、NMDARの表面での発現を安定化します。PSD-95は、シグナル伝達と後シナプスの構造調節に関連する数百のタンパク質から構成される電子密度の高い細胞質構造である興奮性シナプス後肥厚部に、豊富に含まれるタンパク質です。足場タンパク質としてはHomerとShankが最も豊富です。それらはメッシュ状のマトリクスを形成し、PSD-95への結合を仲介するのに、別のタンパク質GKAPをリクルートします。同時に、この四量体複合体は、シナプス後皮厚部の構造的および機能的な完全性に重要です。その他のタンパク質として、SynGAPもNMDARに結合したPSD-95のPDZドメインに結合します。SynGAPはRas-GTPase活性化タンパク質で、Rasをネガティブに制御することで、AMPARの増強と膜輸送のNMDAR依存性制御を仲介します。

AMPARやNMDARに加えて、mGluRもグルタミン酸作動性神経伝達を仲介します。mGluRはGタンパク質共役型受容体で、その大きな細胞外N末端ドメインがグルタミン酸に結合した後、細胞内のGタンパク質との相互作用を介してシグナルを伝達します。これは続いて、細胞内シグナル伝達の大きなカスケードを開始します。mGluRには8つのサブタイプがあり、配列相同性、Gタンパク質パートナー、リガンド選択性に基づいて3つの主要なグループに分けられます。mGluRは二量体として存在し、そのC末端テイルは、mGluRとIP3Rを接続しシナプスでのCa2+ダイナミクスを調節する細胞内タンパク質Homerと相互作用します。

Ca2+シグナル伝達は興奮性シナプス後皮厚部において、CaMKIIの活性化とそれに続く下流の影響によって部分的に重要な役割を果たします。CaMKIIは、シナプス可塑性に重要な鍵となるキナーゼをリン酸化するだけでなく、F-アクチンフィラメントを結合および架橋します。これは、CaMKIIをスパインに固定し、F-アクチン束を安定化させてスパインのサイズを増加させると考えられています。これは、CaMKIIがシナプス可塑性に影響を及ぼしうる、キナーゼ非依存性のメカニズムです。さらに、CaMKIIはNeuroligin 1をリン酸化し、その表面での発現を増加させて新しいシナプスの形成を促進します。細胞質へのCa2+流入は、膜貫通型受容体とは別に、膜小胞体に存在する受容体IP3Rによっても仲介されます。IP3Rに仲介されるCa2+放出は、さらにCaMKIIの活性化とAMPAR機能の調節に寄与し、それによりシナプス可塑性にも貢献します。

抑制性シナプス

主要な抑制性シナプス後受容体は、GABA受容体 (GABAR) とグリシン受容体 (GLYR) です。GABARとGLYRは両方とも、リガンド依存性イオンチャネルスーパーファミリーのメンバーです。ともにヘテロ五量体を形成し、4つの膜貫通ドメイン、大きな細胞外N末端ドメイン、3番目と4番目の膜貫通ドメインの間の大きな細胞内ドメインを持ちます。細胞外N末端ドメインは、神経伝達物質としてGABAあるいはグリシンが結合する部位です。

抑制性シナプス後膜は、膜貫通型シナプス細胞接着分子 (CAM) のファミリーの異なるメンバーであるNeurexinとNeuroligin2/3/4の間の相互作用を介して、シナプス前膜とシナプスを介して接続しています。Neuroligin 2とNeuroligin 3/4は、細胞内で異なるタンパク質に結合し、シナプス後肥厚をさらに固定します。発生において、Neuroligin 2は細胞外ドメインを介して、別の膜貫通型CAMであるSlitrk3と相互作用します。Slitrk3はさらに、軸索の受容体型プロテインチロシンホスファターゼPTPδとの相互作用を介して、抑制性シナプスの発生を調節します。Neuroligin 2の細胞内ドメインは、抑制性シナプスの発生における役割とは別に、抑制性シナプス後膜におけるGABARとGLYRの固定、クラスター化、安定化の主要な要素であるGephyrinに結合します。

Gephyrinは多量体の六方格子の足場であり、そのクラスター化、輸送、結合の特性を変化させる広範な翻訳後修飾を受けます。Gephyrinは、GABAR、GLYR、重合したチューブリン (つまり、微小管)、およびその他の補助タンパク質に直接結合します。このようなタンパク質の1つとしてGDP/GTP交換因子であるCollybistinがあり、Cdc42を介したF-アクチンのクラスター化を介してGephyrinのクラスター化を促進することが示されました。さらに、GephyrinはProfilinとMenaにも結合します。このGephyrin/Profilin/Mena/アクチン複合体は、抑制性シナプス後肥厚の細胞骨格組織に寄与することが示唆されています。重要なことに、GABAR活性自体は、DHHC-12によるGephyrinのパルミトイル化を誘導し、Gephyrinのクラスター化の増加と抑制性シナプス伝達の増加をもたらします。これは、Gephyrinの編成、GABARの機能、抑制性神経伝達の間の周期的なフィードフォワードループを示しています。

Neuroligin 2は、Gephyrinとは別に、Neurexinの結合部位の立体障害を介してNeuroliginとNeurexinの結合を調節する細胞表面分子であるMDGA1にも結合します。MDGA1の発現は抑制性シナプスの形成を阻害し、シナプス形成のチェックポイントとして機能します。一方、Neuroligin 3/4 は、Dystrophin複合体 (すなわち、Syntrophin、Dystrobrevin、Dystrophin) に結合することで、シグナル伝達と膜の安定化にも貢献します。ニューロンにおけるこの複合体の正確な機能はまだ不明ですが、抑制性シナプス後空間にてシグナル伝達タンパク質の細胞骨格足場として役立つ可能性が示されています。

興奮性シナプス後受容体の輸送と同様に、GABARの輸送は抑制性シナプスの調節と適切な機能に不可欠です。GABARは小胞体で構築された後、ゴルジ体に輸送され、そこで細胞膜に向かう小胞にパッケージされます。GABARの細胞内受容体輸送は、その細胞内ドメインと相互作用し、細胞内コンパートメントで濃縮するタンパク質であるGABARAPによって仲介されます。GABARAPの発現上昇は、GABARの細胞表面での発現を上昇させます。GABARは、PKCを介したリン酸化に続く広範なエンドサイトーシス、リソソームでの分解、およびリサイクルを受けます。さらに、GABARはシナプス外に局在化し、シナプスの目的地に到達するのに膜内での往復運動と横方向の動きを必要とします。これは、部分的にはGephyrinによって仲介されるだけでなく、シナプス外のGABARに繋がれた巨大AnkyrinであるAnkyrin Gによっても仲介されます。Ankyrin Gは、GABARAPとの相互作用を介してGABARのエンドサイトーシスを阻害し、GABARの発現を上昇させ、GABA作動性シナプスの安定性を促進します。重要なことに、GABARの局在化と機能はNMDA受容体を介したCa2+流入によっても調節される可能性があります。これは、Ca2+ 感受性ホスファターゼであるCalcineurinが、細胞内Ca2+レベルの増加と同時に、GABARのリン酸化状態を直接調節することができるためです。これは、興奮性および抑制性の後シナプスシグナル伝達の間のクロストークを示しており、興奮と抑制を調節する際の細胞内Ca2+レベルに関する重要性をさらに増すものです。

参考文献:

作成日:2019年9月

アセチル化酵素
アセチル化酵素
代謝酵素
代謝酵素
アダプター
アダプター
メチルトランスフェラーゼあるいはGタンパク質
メチルトランスフェラーゼあるいはGタンパク質
アダプター
アポトーシス/オートファジー調節因子
ホスファターゼ
ホスファターゼ
細胞周期の調節因子
細胞周期の調節因子
タンパク質複合体
タンパク質複合体
脱アセチル化酵素あるいは細胞骨格タンパク質
脱アセチル化酵素あるいは細胞骨格タンパク質
ユビキチン/SUMOリガーゼあるいは脱ユビキチン化酵素
ユビキチン/SUMOリガーゼあるいは脱ユビキチン化酵素
成長因子/サイトカイン/発生調節タンパク質
成長因子/サイトカイン/発生調節タンパク質
転写因子あるいは翻訳因子
転写因子あるいは翻訳因子
GTPase/GAP/GEF
GTPase/GAP/GEF
受容体
受容体
キナーゼ
キナーゼ
その他
その他
 
直接的プロセス
直接的プロセス
一時的なプロセス
一時的なプロセス
転座プロセス
転座プロセス
刺激型修飾
刺激型修飾
阻害型修飾
阻害型修飾
転写修飾
転写修飾
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