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CAR-T療法の研究ツール:有効な治療法の迅速な発見

CAR-T (Chimeric antigen receptor T) 療法は革新的な養子細胞免疫療法で、遺伝子工学的手法で細胞傷害性Tリンパ球の特異性を改変し、標的を細胞表面に腫瘍抗原を発現する腫瘍細胞に変化させます。CAR-T 療法は血液悪性腫瘍の治療で顕著な成功を収めており、固形腫瘍、繊維性肝疾患や糖尿病などの老化関連疾患の治療にも安全に活用できる可能性があります1-3。 CAR-T 免疫療法は1度の注入で数十年間効果が得られる、生きた治療法であると言われています。

安全で有効な治療の開発を保証するため、CAR-T開発のワークフローは複数のステップから構成されています。Cell Signaling Technology® (CST) は、標的の同定と選定、CAR-T細胞の特性解析、治療に対する患者の応答の調査など、前臨床研究を支援する製品ソリューションを提供しています。

CAR-T開発のワークフロー

 

ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4

ステップ1:

腫瘍抗原の探索と検証

ステップ2:

scFvスクリーニングと最適化

ステップ3:

CARトランスジーンの構築

ステップ4:

CARトランスジーンの導入

ステップ5 ステップ6 ステップ7  

ステップ5:

CAR-T細胞の特性解析のためのアッセイ
 

ステップ6:

前臨床in vivoアッセイ

ステップ7:

患者の選択とモニタリング

 

 

腫瘍抗原の探索と検証の究極の目的は、腫瘍細胞の大部分に発現し、オンターゲット毒性とオフターゲット毒性のリスクが最小限となる発現パターンを示し、発現が消失して治療効果が失われないように安定発現する腫瘍表面抗原を見つけることです。使用している抗体が特異的で、潜在的な腫瘍抗原の検出に十分な感度があることを十分に信用できたとしても、新たな腫瘍抗原の同定は容易ではありません。常に、腫瘍の標的タンパク質を確実に検出できる、信頼性の高い抗体を使用する必要があります。CST抗体は、アプリケーションごとに厳格な社内検証が実施されており、高い特異性と信頼性、親和性を備えています。

特異性の高い抗体でサンプル中の既知腫瘍抗原の検出を始められます

CD19 (Intracellular Domain) (D4V4B) XP® Rabbit mAb #90176を用い、パラフィン包埋ヒトリンパ腫を免疫組織学染色で解析しました。

TNFRSF17/BCMA (E6D7B) Rabbit mAb #88183を用い、パラフィン包埋ヒト正常結腸を免疫組織化学染色で解析しました。

IHC検証済み抗体とフローサイトメトリー検証済み標識抗体

TNFRSF8/CD30 (E7E4D) XP® Rabbit mAb (Alexa Fluor® 488標識抗体) (実線) または同濃度のRabbit (DA1E) mAb IgG XP® Isotype Control (Alexa Fluor® 488標識抗体) (破線) を用い、HeLa細胞 (青) とKARPAS-299細胞 (緑) をフローサイトメトリーで解析しました。KARPAS細胞株は、ケンブリッジ大学のAbraham Karpas博士より譲与いただきました。

IL-13RA2/CD213a2 (E7U7B) Rabbit mAb #85677を用い、パラフィン包埋ヒト多形成グリア芽細胞腫を免疫組織化学染色で解析しました。

CAR-T細胞の作製後、CARの表面発現や細胞毒性、細胞増殖をモニタリングして、作製した細胞の機能を確認する必要があります。作製したCAR-T細胞の機能解析には、下記のような検証済みのすぐに使用できるキットや試薬が役立ちます。

機能アッセイ

増殖アッセイ 

腫瘍抗原に応答して増殖する能力は、CAR-T細胞の機能の重要な評価項目です4。CSTの増殖アッセイを利用して、CAR-T細胞の増殖能力を評価することができます。Cell Proliferation Tracerキットでは、細胞分裂のたびに希釈される蛍光トレーサー色素を、フローサイトメトリーでモニタリングします。

Jurkat細胞 (生細胞) の細胞分裂を4日間 (d0-d3) 追跡しました。Day 0にCell Proliferation Tracer Kit (Fluorometric, Violet 450) #48444を用いて細胞を標識し、各日にフローサイトメトリーで解析しました。徐々に色が薄くなるピークが、それぞれ1回の細胞分裂を示しています。未染色の細胞を白抜きのピークで示しました。

Jurkat細胞 (生細胞) の細胞分裂を4日間 (d0-d3) 追跡しました。Day 0にCell Proliferation Tracer Kit (Fluorometric, Violet 520) #53452を用いて細胞を標識し、各日にフローサイトメトリーで解析しました。徐々に色が薄くなるピークが、それぞれ1回の細胞分裂を示しています。未染色の細胞を白抜きのピークで示しました。

細胞毒性アッセイ

免疫エフェクター細胞の機能解析に、細胞溶解アッセイ日常的に利用されています。放射性同位体を使用しない高感度のキットを利用して、細胞を介した細胞毒性を調べることができます。

LDH細胞毒性アッセイに最適な細胞数の決定:10% FBSを含む培地を用い、HeLa細胞を異なる密度で96ウェルプレートに播種しました。一晩培養した後、無血清培地に交換し、Assay Buffer (LDHを自然放出する) または10% Triton X-100 solution (LDHを最大限に放出する) で処理しました。この処理の後、培地を回収して新しい96ウェルプレートに移しました。培地中に放出されたLDHの量を、LDH Cytotoxicity Assay Kitのプロトコールを用いて測定しました。

表現型解析 & 機能マーカー抗体

免疫表現型解析用抗体を用い、腫瘍学における免疫系の役割を探ることができます。免疫組織化学染色 (IHC) やフローサイトメトリーなどのアプリケーションでは、細胞集団を多重染色してモニタリングすることができますが、どちらの場合も厳格な抗体検証の方針が要求されます。

T細胞サブセットの表現型解析により、最も効率的に遺伝子改変できる集団を調べることができ、CAR-T細胞の表現型解析により、CARが表現型や機能に与える影響を調べることができます。

組織や液体生検サンプルの解析に最適な、免疫表現型マーカーや免疫機能マーカーの包括的なカタログをご覧いただけます。

各10 µg/mLの抗CD3と抗CD28の架橋抗体で15分間処理したヒト末梢血単核細胞 (右) と、未処理細胞 (左) を、Phospho-SLP-76 (Ser376) (E3G9U) XP® Rabbit mAb (PE Conjugate) #76143とCD3 (UCHT1) Mouse mAb (FITC Conjugate) #86774で共染色し、フローサイトメトリーで解析しました。

CD3 (UCHT1) Mouse mAb (violetFluor 450 Conjugate) #61347 (実線) または同濃度のMouse (MOPC-21) mAb IgG1 Isotype Control (violetFluor 450 Conjugate) #40282 (破線) で染色したヒト末梢血単核細胞 (生細胞) を、フローサイトメトリーで比較解析しました。

CARの発現検出

CARシグナル伝達の解析

CARの機能を最適化するため、T細胞の挙動に関連した複数のタンパク質の活性化状態をモニタリングすることができます。CSTが提供する、関連シグナル伝達経路のタンパク質に対する抗体をご利用いただくことで、下流に及ぼす効果を調べ、CAR-T細胞の挙動の理解を深めることができます。CARシグナル伝達ネットワークや、その他の研究分野別パスウェイをご確認ください。

CARが関与するリン酸化プロテオームをグローバルに調べるため、CSTは定性的および定量的なプロテオミクスプロファイリングを行うプロテオミクス解析サービスを提供しています。CSTの専門家がプロジェクトの計画から包括的なデータセットの作成までをお手伝いします。プロテオミクス解析サービスの詳細はこちら

お客様のニーズに適合するCSTのカスタム試薬

カスタム標識サービス

フローサイトメトリーに必要な標識抗体が見つかりませんか?問題ありません!CSTの抗体標識の専門知識をご利用ください。必要な抗体をご希望の蛍光色素で標識しますので、必要なアッセイを柔軟にデザインすることができます。カスタム標識抗体には、全てのCST抗体に適用されているものと同じ基準で、検証や最適化、安定性試験が実施されます。

カスタム標識抗体のご注文はこちら

カスタム組成抗体

CAR-TアッセイをBSAやグリセロール、アジ化物の非存在化で実施するため、キャリアフリー抗体やカスタム組成製品が用意されています。下記のようなアプリケーションに最適な、PBSに溶解した抗体をご提供します。

  • AlphaLISA®、HTRF®、MSDアッセイなどのELISA様アッセイ
  • CyTOF®マスサイトメトリー、Imaging Mass Cytometry (IMC)、MIBIのための金属標識
  • オリゴヌクレオチド標識
  • ビオチン標識
  • フローサイトメーリーや免疫蛍光染色のための蛍光色素標識
  • In vivoアッセイや機能アッセイ

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特定のCAR-T療法に対する患者の適合性を判定するために、腫瘍抗原の発現の確認が、治験選択の基準の1つになることが多いです。さらに、治療期間中の標的抗原の発現をモニタリングは、治療効果の重要な評価項目となります。

CSTは下記をはじめ、腫瘍抗原を再現性よく検出できる、高度に検証された多くの抗体を提供しています。

  1. CAR T-cell Therapy: A New Era for Cancer Treatment. Mohanty et al. Oncol Rep. 2019, 42(6):2183-2195.
  2. A Fresh Approach to Targeting Aging Cells: CAR-T Cells Enhance Senolytic Specificity. Li JH and Chen YY. Cell Stem Cell. 2020, 27(2): 192–194.
  3. Regulatory T Cells Engineered with a Novel Insulin-Specific Chimeric Antigen Receptor as a Candidate Immunotherapy for Type 1 Diabetes. Tenspolde M, et al. J Autoimmun. 2019, 103:102289
  4. In vitro Tumor Cell Rechallenge for Predictive Evaluation of Chimeric Antigen T Cell Antitumor Function. Wang D, et al. J Vis Exp. 2019, (144):10.3791/59275.

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