SignalStar Multiplex IHCのキットおよび試薬は、手動プロトコールとLeica Biosystems社のBOND RX自動染色装置用プロトコールの両方で最適化と検証が行われています。しかし、アッセイのトラブルシューティングが必要な際は、以下の起こりうる問題や考えられる原因、推奨される対処法の一覧をご覧ください。
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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どのチャンネルにも蛍光シグナルがみられず、スライドはブランクである。 | 染色プロセスの間に、キットの重要な構成品が添加されていない可能性があります。 | アッセイを行う前に、すべての試薬を添加したことを確認してください。 |
組織が、目的の標的を発現していない可能性があります。 | 試薬に問題がないことを確認するために、コントロールスライドを使用する必要があります。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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すべてのチャンネルにシグナルがみられるが、予想よりかなり弱い。 | SignalStarの試薬と溶液は、粘性があります。SignalStar Solution、特にAmplification Solution 1とAmplification Solution 2の攪拌が不十分であった可能性があります。 | 低吸着ピペットチップを用いて、すべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。 |
Amplification Solution 2を添加する前の洗浄ステップ後に、Amplification Solution 1が残留していた可能性があります。 | 各スライドがdH2Oに完全に浸されていることを確認し、Amplification Solutionを添加する前に過剰な液体を組織の表面から振り落として除去してください。 | |
BOND RX自動染色装置での溶液の洗浄が不十分であった可能性があります。 | プロトコールに記載の通り、すべての洗浄ステップにおいて、BOND RXソフトウェアで「オープン」が選択されていることを確認してください。 | |
スライドのイメージングが染色後8時間内に行われない場合、蛍光シグナルが消失する可能性があります。 | スライドのイメージングは、染色後可能な限り早く、最大でも8時間以内に行なってください。 | |
手動プロトコール中に実施された増幅のラウンド回数が8回未満であり、完全に行われなかった可能性があります。 | これらのステップ中に、手動プロトコールのチェックリストを使用してください。 | |
BOND RXプロトコール中に実施された増幅のラウンド回数が6回未満であり、完全に行われなかった可能性があります。 | これらのステップ中に、BOND RXプロトコールのチェックリストを使用してください。 | |
多くの組織で使用できるようにすべての抗体を入念に検証していますが、組織によって標的の性質や発現レベルは異なります。 | 抗体の量を増やす (2倍) と、シグナル強度が上昇します。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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蛍光チャンネルのうちの1つのシグナルがみられないが、連続切片の発色染色では、この標的に対する強いシグナルが得られた。 | その蛍光チャンネル用の相補的なオリゴが添加されなかった可能性があります。 | アッセイを行う前に、すべての試薬を添加したことを確認してください。 |
その蛍光チャンネル用の増幅オリゴAまたはBが添加されていない可能性があります。 | アッセイを行う前に、すべての試薬を添加したことを確認してください。 | |
スライドのイメージングに、間違ったレーザーおよびフィルターセットが用いられた可能性があります。 | プロトコールには、このアッセイに用いるすべての蛍光色素のレーザーやフィルターセット、励起、発光に関する情報が含まれています。お使いの機器の設定が合致していることを確認してください。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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パネル内の特定のチャンネルに、バックグラウンド蛍光がみられる。 | 多くの組織で使用できるようにすべての抗体を入念に検証していますが、組織によって標的の性質や発現レベルは異なります。 | 抗体の量を減らす (0.5倍) と、標的シグナル強度を維持しつつ、バックグラウンドレベルを低減できる場合があります。 |
すべての抗体は、プロトコールに記載されている抗原賦活法を用いた手法で検証されています。代替方法を用いた場合、バックグラウンドレベルが上昇する可能性があります。 | プロトコールに記載された抗原賦活法を用いてください。 | |
手動プロトコールを用いる場合は、ノイズを低減するために、チャンネル内で行う増幅サイクルを削減することができます。 | 例えば、チャンネル488や594、750では8回の増幅サイクルを行い、647では6回だけ増幅サイクル行う場合は、すべてのチャンネルに対する、増幅ラウンド6回分のAmplification Solutionを作製します。そして、最後の2回の増幅ラウンドで用いる488、594、750の増幅オリゴを含むAmplification Solutionを別に作製します。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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標的からのものと類似したシグナルが、2つ以上の蛍光チャンネル内にみられる。例えば、647チャンネルの染色結果が、594チャンネルにみられる標的の染色結果と類似している。 | 594チャンネルでの標的の発現がなく、このチャンネルにシグナルがほとんどまたは全くないことが原因である可能性があります。同時に、647チャンネルでの発現が高く、594チャンネルへのシグナルのスペクトルの漏れ込みが生じた可能性があります。この場合、594チャンネルの弱い特異的なシグナルが、この現象によりかき消される可能性があります。 | 647チャンネルに添加する抗体の量を減らすことにより、このシグナルの漏れ込みを解決できる可能性があります。 シグナルが強い表現型マーカーと、発現レベルがより低い標的をスペクトル分離できるように、パネルを設計する際にスペクトルの漏れ込みを考慮します。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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1つのチャンネルにおいて、複数の標的の蛍光シグナルがみられる。 | 1回目のイメージングラウンドおよび2回目のイメージングラウンドに用いる相補的なオリゴが誤って組み合わされたことにより、同じチャンネル内で2つの標的が増幅された可能性があります。 | 同じ蛍光チャンネルに用いる相補的なオリゴを、同じイメージングラウンドで組み合わせないでください。1回のイメージングラウンドに含めることができる、各蛍光チャンネルの相補的なオリゴは1つのみです。 |
説明 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
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BONDのタイトレーション用インサートがキャリアから浮き上がることにより、BOND RX自動染色装置が誤動作し、染色が完了しなかった。 | SignalStarアッセイを、1回目のイメージングラウンドと2回目のイメージングラウンドの両方で行った後、吸引プローブ洗浄サイクルが実行されていない可能性があります。 | SignalStarスライドの各ラウンドが完了したら、毎回吸引プローブの洗浄サイクルを実行してください。 機器のプロバイダーに、追加の情報とサポートについて問い合わせてください。 |
BOND RXソフトウェアで、コンテナに関するエラーメッセージ「Empty (空) 」が出た。 | BOND RX自動染色装置は、コンテナが過充填状態になると「Empty (空) 」であるとみなします。 | 開いているコンテナに、SignalStar試薬を充填しすぎないでください。プロトコールに記載の通り、一部の試薬は複数のコンテナを必要とします。 機器のプロバイダーに、追加の情報とサポートについて問い合わせてください。 |
BOND RXソフトウェアで、エラーメッセージ「There is insufficient reagent」が出た。 | SignalStar Multiplex IHCプロトコールに記載されている正しい量の溶液を用いても、BOND RX自動染色装置が「試薬が不十分」であるとみなす場合があります。 | コンテナを充填し、再度スキャンを試みてください。このエラーを解除するには、新しいコンテナを使用する必要があるかもしれません。 機器のプロバイダーに、追加の情報とサポートについて問い合わせてください。 |