酵母Bem1のPB1ドメイン
PB1 (Phox and Bem1) ドメインは、約80アミノ酸残基から成り、多くの細胞質内のシグナル伝達タンパク質にみられます。PB1は対となるPB1ドメインとヘテロ二量体を形成すると考えられていますが、全てのPB1ドメインが互いに会合するわけではありません。OPR、PCあるいはAIDモチーフとして知られる高度に保存された内部配列が、PB1ドメインの機能に必要です。このOPR、PCおよびAIDの外側の部位によって、結合に特異性が規定されると考えられます。
Bem1pのPB1ドメインの1つのNMR構造が解明されています。このPB1ドメインは、2つのαヘリックスと、混ざり合わさった4本鎖βシートで構成されます。このドメインは、ユビキチンやRafにみられる、Ras結合ドメインと同様の、β-graspフォールド構造をとります。しかしながら、PB1ドメインはRas関連タンパク質を結合しないことから、PB1と構造的に類似したRas結合ドメインとの間には、機能的な違いがあることが示唆されています。
PB1ドメインタンパク質 | 結合パートナー |
Par-6アイソフォーム | PKCΖ, PKCΙ/Λ |
Bem1 | Cdc24 |
p67phox | p40phox |