A. 溶液および試薬
注意:溶液は精製水で調製してください。
- マイクロウェルストリップ:使用前に全て試薬やプレートを室温に戻してください。
- 検出抗体:凍結乾燥した緑色の塊または粉末です。高濃度のストック溶液を調製するため、検出抗体希釈液 (緑色) 1.0 mLを加えてください。穏やかに混合しながら室温で5分間インキュベートし、完全に溶解してください。ワーキング溶液を作成するために、溶解した検出抗体1.0 mLを全て、新しいチューブに入れた検出抗体希釈液10.0 mLに加えて、穏やかに混合してください。未使用のワーキング溶液は4°Cで4週間保存できます。
- HRP標識抗体*:凍結乾燥された赤色の塊または粉末です。高濃度のストック溶液を調製するため、HRP希釈液 (赤色) 1.0 mLを加えてください。穏やかに混合しながら室温で5分間インキュベートし、完全に溶解してください。ワーキング溶液を調製するために、溶解したHRP標識抗体1.0 mLを全て、新しいチューブ中に入れたHRP希釈液10.0 mLに加えて、穏やかに混合してください。未使用のワーキング溶液は4°Cで4週間保存できます。
- 検出抗体希釈液:検出抗体を溶解および希釈する緑色の希釈液 (11 mL)
- HRP希釈液:HRP標識抗体を溶解および希釈する赤色の希釈液 (11 mL)
- サンプル希釈液:細胞ライセートを希釈する青色の希釈液
- 1X Wash Buffer:PathScan® Sandwich ELISAキットに含まれる20X Wash Bufferを精製水で希釈してください。
- Cell Lysis Buffer:10X Cell Lysis Buffer #9803または、1X PathScan® Sandwich ELISA Buffer #7018:調製したバッファーは、4℃で短期間 (1-2週間) 保存できます。推奨:1 mM phenylmethylsulfonyl fluoride (PMSF) を使用直前に加えてください。
- TMB基質 (#7004)
- STOP溶液 (#7002)
*注意:いくつかのPathScan® ELISAキットは、HRP標識抗体の代わりにHRP標識ストレプトアビジンを含む場合があります。
B. 細胞ライセートの調製
接着細胞の場合
- 密度が80-90%コンフルエントの細胞を用意し、培地を吸引除去してください。目的に応じて調節因子を含む新鮮な培地を加え、細胞を必要時間処理してください。
- 細胞を氷冷した1X PBSで1回洗浄してください。
- PBSを除去し、各プレート (10 cm径) に氷冷した1X Cell Lysis Buffer + 1 mM PMSF混合液0.5 mLを加え、プレートを氷上で5分間インキュベートしてください。
- 細胞をプレートから掻き取り、適切なチューブに移してください。氷上に保持してください。
- ライセートを氷上で超音波処理 (ソニケーション) してください。
- 4°Cで10分間遠心分離 (x14,000 rpm) し、上清を新しいチューブに移してください。上清が細胞ライセートです。アッセイ1回分ずつに分注し、-80℃で保存してください。
浮遊細胞の場合
- 解析対象となる細胞を増殖させ、生細胞密度が0.5-1.0 x 106細胞/mLに達したら、低速遠心分離 (~1200 rpm) で細胞を集め、培地を除去してください。目的に応じて調節因子を含む新鮮な培地を加え、細胞を必要時間処理してください。
- 低速遠心分離 (-1200 rpm) により細胞を集め、5-10 mLの氷冷した1X PBSで1回洗ってください。
- 1X Cell Lysis Buffer (1 mM PMSF添加) を、培養液50 mLから回収した細胞当り2.0 mL加え、溶解してください。
- ライセートを氷上で超音波処理 (ソニケーション) してください。
- 4°Cで10分間遠心分離 (x14,000 rpm) し、上清を新しいチューブに移してください。上清が細胞ライセートです。アッセイ1回分ずつに分注し、-80℃で保存してください。
C. 操作手順
- マイクロウェルストリップが室温に戻った後、必要な数のマイクロウェルを折り取ってください。マイクロウェルをストリップホルダーにセットしてください。未使用のマイクロウェルは、保存バッグ中に再度密封して直ちに4°Cで保存してください。
- 細胞ライセートは、そのまま、あるいは各PathScan® Sandwich ELISAキットに含まれてる青色のサンプル希釈液により希釈して、使用してください。予備実験で適切なライセート濃度を決定していただくことを推奨しますが、開始濃度を選択するための参考情報として各キットのデータシートに感度曲線を掲載しています。感度曲線は、広範なライセート濃度でのキットごとのアッセイ結果を示しています。
- 適切なウェルに、未希釈、あるいは希釈した各細胞ライセート100 μLを加えてください。テープで密封し、マイクロウェルの上からきつく押し付けてください。プレートを37°Cで2時間インキュベートしてください。あるいは、プレートを4°Cで一晩インキュベートすることも可能です。
- テープを静かに取り除いてウェルを洗浄してください:
- 廃棄容器にプレートの内容物を捨ててください。
- 各ウェルを1X Wash Buffer 200 μLで4回、洗ってください。
- 各洗いの操作で、各ウェルに残った液を除去するために、十分な強さでプレートを新しいペーパータオルに叩きつけてください。ただし、常にウェルを乾燥させないようにしてください。
- 糸くずの出ないティッシュ (キムワイプ) で全てのウェルの裏側を拭いてください。
- 各ウェルに、溶解した検出抗体 (緑色) 100 μLを加えてください (セクションA、ステップ 2を参照)。テープで密封し、プレートを37°Cで1時間インキュベートしてください。
- 洗いの操作を繰り返してください (セクションC、ステップ4)。
- 各ウェルに、溶解したHRP標識二次抗体 (赤色) 100 μLを加えてください (セクションA、ステップ3を参照)。テープで密封し、プレートを37°Cで30分間インキュベートしてください。
- 洗いの操作を繰り返してください (セクションC、ステップ4)。
- TMB基質100 μLを各ウェルに加えてください。テープで密封してプレートを37°Cで10分間インキュベートするか、または25°Cで30分間インキュベートしてください。
- STOP溶液100 μLを各ウェルに加えてください。数秒間静かに振盪してください。
注意:陽性反応の最初の色は青色です。STOP溶液を加えることにより黄色に変わります。
- 結果を測定してください。
- 色別判定:STOP溶液を加えてから30分以内に結果を判定してください。
- 吸光度測定:糸くずの出ないティッシュ (キムワイプ) で全てのウェルの裏側を拭いてください。STOP溶液を加えてから30分以内に吸光度 (450 nm) を測定してください。