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ウェスタンブロッティングプロトコール

ウェスタンブロッティング (WB) は、細胞や組織の抽出液中の特定のタンパク質の発現を解析するのに広く使用されています。私たちは、WBがまとまった時間を要する実験であり、その成功次第でお客様の研究の進行が大きく左右されることをよく理解しています。このような理由から、CSTでは抗体を慎重に開発し、最適化されたプロトコール、リファレンス情報、テクニカルサポートとともに提供することで、お客様のWB実験の成功をサポートしています。

転写膜と一次抗体を静かに振盪しながら、4℃で一晩反応させてください。一次抗体の希釈液として、0.1% Tween ​20含有1X TBSを用いて、5% (w/v) に溶解したBSAあるいは脱脂粉乳を使用します。

注意:一次抗体の希釈バッファーと希釈率は、一次抗体の製品ウェブページを参照してください。

A. 溶液および試薬

サンプル調製から検出まで、ウェスタンブロットに必要な試薬が便利な一つのキットになりました:#12957 Western Blotting Application Solutions Kit

注意:溶液は、逆浸透脱イオン (RODI) 水、または同等の精製水で調製してください。

  1. 20X Phospate Buffered Saline (PBS): (#9808):1X PBS 1 Lを調製する場合、20X PBS 50 mLを精製水 (dH2O) 950 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  2. 10X Tris Buffered Saline (TBS): (#12498) 1X TBS 1 L の調製:10X TBS 100 mLを精製水 (dH2O) 900 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  3. 1X SDS Sample Buffer: Blue Loading Pack (#7722) またはRed Loading Pack (#7723)。1/10容量の30X DTTを3X SDSローディングバッファーに加え、還元作用を持つ新しい3X ローディングバッファーを調製してください。精製水 (dH2O) で1X に希釈してください。
  4. 10X トリス-グリシンSDS泳動バッファー:(#4050) 1X 泳動バッファー1 Lの調製:10X 泳動バッファー100 mLを精製水 (dH2O) 900 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  5. 10X トリス-グリシン転写バッファー:(#12539) 1X 転写バッファー 1 Lの調製:10X 転写バッファー100 mLとメタノール200 mLを精製水 (dH2O) 700 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  6. 10X Tris Buffered Saline with Tween 20 (TBST):(#9997) 1X TBST 1 Lの調製:10X TBST 100 mLを精製水 (dH2O) 900 mLに加え、混ぜ合わせてください。
  7. 脱脂粉乳: (#9999)
  8. ブロッキングバッファー:5% w/v 脱脂粉乳含有1X TBST:150 mLを用意する場合は、脱脂粉乳7.5 gを1X TBST 150 mLに加え、よく混ぜ合わせてください。
  9. 洗浄バッファー:(#9997) 1X TBST
  10. ウシ血清アルブミン (BSA) (#9998)
  11. 一次抗体希釈バッファー: 5% w/v BSAあるいは5%脱脂粉乳含有1X TBST (どちらを推奨するかは、一次抗体の製品ウェブページで確認してください) 20 mLを用意する場合、BSAあるいは脱脂粉乳1.0 gを1X TBST 20 mLに加え、よく混ぜ合わせてください。
  12. Biotinylated Protein Ladder Detection Pack: (#7727)
  13. Blue Prestained Protein Marker, Broad Range (11-250 kDa):(#59329)
  14. 転写膜​とろ紙:(#12369) このプロトコールはニトロセルロース膜に最適化されています。ポアサイズは0.2 µmをお勧めしています。
  15. HRP標識二次抗体:anti-rabbit (#7074)、anti-mouse (#7076)
  16. 検出試薬:LumiGLO chemiluminescent reagent and peroxide (#7003)、あるいはSignalFire™ ECL Reagent (#6883)。

B. タンパク質のブロッティング

最も汎用的なサンプル調製プロトコール

  1. 目的に応じて調節因子を含む新鮮な培地を加え、細胞を必要時間処理してください。
  2. 培養ディッシュから培地を吸引除去し、細胞を1X PBSで洗った後、再度吸引除去してください。
  3. 1X SDSサンプルバッファーを加え (6ウェルプレートは100 µL/ウェル、直径10 cmプレートは500 µL/プレート)、細胞を溶解してください。直ちにプレートから細胞を掻き取り、抽出物を遠心分離チューブに移してください。氷上に保持してください。
  4. 10-15秒間超音波処理してください。この処理には、細胞を完全に溶解する目的と、DNAを剪断してサンプルの粘性を下げる目的があります。
  5. サンプル20 µLを95-100℃で5分間加熱処理後、氷上で冷却してください。
  6. 5分間遠心分離してください。
  7. SDS-PAGEゲル (10 cm × 10 cm) に20 µLをアプライし、電気泳動してください。

    注意:電気泳動確認用のプレステイン分子量マーカー (#59329、5 µL/lane) および分子量測定用のビオチン化プロテインラダー (#7727、10 µL/lane) も同時に電気泳動することをお勧めしています。

  8. ニトロセルロース膜 (#12369) に転写してください。

C. 転写膜のブロッキングと抗体反応

注意:10 cm × 10 cm (100 cm2) の転写膜用の必要量を記載しています。サイズの異なる転写膜をご使用の際は、適宜量を調節してください。

I. 転写膜のブロッキング

  1. オプション:転写後、転写膜を室温で5分間、TBS 25 mLで洗浄してください。
  2. 転写膜を室温で1時間、ブロッキングバッファー25 mL中でインキュベートしてください。
  3. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。

II. 一次抗体反応

使用される一次抗体に応じて、適切な下記手順へ進んでください。

非標識一次抗体の場合

  1. 一次抗体液10 mL (製品データシートに記載されている希釈バッファー、希釈率をもとに適切に調製してください) 中で転写膜を静かに振盪しながら、4℃で一晩インキュベートしてください。
  2. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  3. 一次抗体の動物種を検出するHRP標識二次抗体 (#7074、あるいは#7076) (1:2000) および、ビオチン化プロテインラダー検出用HRP標識ビオチン抗体 (#7075) (1:1000-1:3000) を含むブロッキングバッファー10 mL中で転写膜を静かに振盪しながら、室温で1時間インキュベートしてください。
  4. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  5. 検出操作へ進んでください (セクションD)。

HRP標識一次抗体の場合

  1. 一次抗体反応液10 mL (製品データシートに記載されている希釈バッファー、希釈率をもとに適切に調製してください) 中で転写膜を静かに振盪しながら、4℃で一晩インキュベートしてください。
  2. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  3. ビオチン化プロテインラダー検出用HRP標識ビオチン抗体 (#7075、1:1000-1:3000で使用) を含むブロッキングバッファー10 mL中で転写膜を静かに振盪しながら、室温で1時間インキュベートしてください。
  4. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  5. 検出操作へ進んでください (セクションD)。

ビオチン標識一次抗体の場合

  1. 一次抗体反応液10 mL (製品データシートに記載されている希釈バッファー、希釈率をもとに適切に調製してください) 中で転写膜を静かに振盪しながら、4℃で一晩インキュベートしてください。
  2. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  3. 適切な希釈率に希釈したStreptavidin-HRP (#3999) を含むブロッキングバッファー10 mL中で転写膜を静かに振盪しながら、室温で1時間インキュベートしてください。
  4. TBST 15 mLで各5分間、3回洗ってください。
  5. 検出操作へ進んでください (セクションD)。

ビオチン化プロテインマーカー検出用にAnti-biotin, HRP-linked Antibodyを加えないでください。 HRP標識抗ビオチン抗体は必要ありません。Streptavidin-HRPでビオチン化マーカーも検出できます。

D. タンパク質の検出

  1. LumiGLO (0.5 mL 20X LumiGLO #7003、0.5 mL 20X Peroxide、精製水9.0 mL) 10 mL中、あるいはSignalFire™ #6883 (5 mL Reagent A、5 mL Reagent B) 10 mL中で転写膜を緩やかに振盪しながら、室温で1分間インキュベートしてください。
  2. 転写膜の余分な液を除去し (この時、乾燥させないようにご注意ください)、ラップで包んでX線フィルムに露光してください。初回10秒間の露光結果により、適度な露光時間が予測できます。

    注意:検出反応の速度論に基づき、シグナルはインキュベーション直後が最も強く、2時間かけて減退します。

更新:2005年6月

改訂日:2016年6月

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