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タンパク質分解の新たな展望:dTAGシステムを利用した迅速で選択的なタンパク質の制御

 

演者:Behnam Nabet博士

標的化したタンパク質の分解は、薬剤を利用して迅速かつ選択的にタンパク質の量を変化させることに主眼をおいた、新たな化学的様式です。プロテオームにおける大部分のタンパク質を撹乱する研究ツールが不足する中、タンパク質の恒常性を直交的に調節する方法として、化学-遺伝学のハイブリッド分解システムが登場しています。これらの分解に基づく戦略は、広く用いられている遺伝学的アプローチと高度に相補的である一方で、標的選択性のプロファイルを向上させ、優れた速度論的分解能で機能研究を可能にします。新たな戦略の1つであるdTAG (degradation tag) システムは、ヘテロ二機能性低分子分解剤を使用して、タグ付けされたタンパク質の迅速で選択的な排除に、細胞内分解機構を組み込みます。このウェビナーでは、dTAG技術プラットフォームをまとめ、ターゲット特異的タンパク質分解の有用性を実証する実例を取り上げます。dTAGシステムは、前臨床試験での標的の検証や、細胞やマウスモデルを用いた生物学的研究に幅広く利用できるツールです。