アポトーシスの制御
各シグナル伝達経路に関連する製品が記載されたダウンロード可能なパスウェイ図の全リストはこちら
2026 © Cell Signaling Technology. All Rights Reserved
アポトーシスは、核凝集、細胞収縮、膜ブレブ形成、DNAの断片化を特徴とする、制御された細胞死のメカニズムです。システインプロテアーゼファミリーであるカスパーゼは、アポトーシスの中心的な制御因子です。イニシエーターカスパーゼ (Caspase-2、-8、-9、-10、-11、-12など) は、アポトーシス促進シグナルと密接に関連しています。これらのカスパーゼは一度活性化されると、下流のエフェクターカスパーゼ (Caspase-3、-6、-7など) を切断して活性化し、続いて活性化したエフェクターカスパーゼが特徴的なアスパラギン酸残基を残して細胞のタンパク質を切断することでアポトーシスを実行します。FasLによるFasの活性化によってCaspase-8が、そして、TNFによるTNFRの活性化によってCaspase-10が、それぞれ活性化します。また、DNAの損傷によってPIDDの発現が誘導され、発現したPIDDがRAIDDおよびCaspase-2に結合することで、Caspase-2が活性化します。損傷したミトコンドリアから放出されるシトクロムcは、Caspase-9の活性化に関連します。XIAPはCaspase-3、-7、-9を阻害します。ミトコンドリアは、シトクロムcに加えてSmac/Diablo、AIF、HtrA2、EndoGなどといったアポトーシス促進分子を放出します。Smac/DiabloはXIAPと結合することで、XIAPのカスパーゼ阻害効果を抑制します。Caspase-11は、病的な炎症促進刺激やアポトーシス促進刺激によって誘導・活性化されて、Caspase-1の活性化を促します。その結果、Caspase-1がCaspase-3を直接プロセシングすることにより、炎症応答とアポトーシスが促進されます。Caspase-12とCaspase-7は小胞体ストレス下において活性化されます。成長因子やサイトカインなどの抗アポトーシスリガンドは、Aktとp90RSKを活性化します。Aktは、Badを直接リン酸化することでその活性を阻害し、転写因子であるForkheadファミリー (FoxO) をリン酸化、阻害することでBimの発現を抑制します。FoxOは、FasLやBimなどのアポトーシス促進分子を正に制御することで、アポトーシスを促進します。
参考文献:
- Degterev A, Yuan J (2008) Expansion and evolution of cell death programmes. Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 9(5), 378–90.
- Fuchs Y, Steller H (2011) Programmed cell death in animal development and disease. Cell 147(4), 742–58.
- Indran IR, Tufo G, Pervaiz S, Brenner C (2011) Recent advances in apoptosis, mitochondria and drug resistance in cancer cells. Biochim. Biophys. Acta 1807(6), 735–45.
- Kaufmann T, Strasser A, Jost PJ (2012) Fas death receptor signalling: roles of Bid and XIAP. Cell Death Differ. 19(1), 42–50.
- Kurokawa M, Kornbluth S (2009) Caspases and kinases in a death grip. Cell 138(5), 838–54.
- Pradelli LA, Bénéteau M, Ricci JE (2010) Mitochondrial control of caspase-dependent and -independent cell death. Cell. Mol. Life Sci. 67(10), 1589–97.
- Van Herreweghe F, Festjens N, Declercq W, Vandenabeele P (2010) Tumor necrosis factor-mediated cell death: to break or to burst, that's the question. Cell. Mol. Life Sci. 67(10), 1567–79.
この図をレビューして下さった、ハーバード大学医学大学院 (マサチューセッツ州、ボストン) のJunying Yuan教授に感謝いたします。
作成日:2008年9月
改訂日:2012年11月