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標的タンパク質分解のためのソリューション

標的タンパク質分解 (TPD) は、細胞自身の分解機構を用いて、疾患の原因となる、または疾患の進行を促すタンパク質を分解する画期的な治療法です。標的タンパク質 (POI) の多くは、従来の低分子療法が標的とする特徴的な部位 (結合ポケットなど) を欠失していることから「創薬不可能」と考えられていたため、この治療法は非常に期待されています。PROTAC (PROteolysis TArgeting Chimera) や分子糊などのタンパク質分解誘導化合物 (Protein degrader) を用いるプラットフォームは、ユビキチン - プロテアソームシステム (UPS) を利用してPOIを分解する新たな薬剤 (分解誘導薬) ですが、ATTEC (Autophagosome-tethering compound) やAUTOTAC (AUTOphagy-TArgeting Chimeras)、AUTAC (AUtophagy-TArgeting Chimeras)、AbTAC (Antibody-based PROTAC)、LYTAC (LYsosome TArgeting Chimeras) などのプラットフォームは、オートファゴソームシステムまたはリソソームシステムを利用してPOIを分解します。これらのプラットフォームは、他のTPD法と同様に、POIとエフェクター分子の間の近接性に基づく相互作用を誘導することにより、以前は創薬不可能であったタンパク質を分解の標的にできるため、幅広い疾患における有望な標的薬剤療法の開発が期待できます。

Cell Signaling Technologyの科学者は、シグナル伝達解析用技術の深い専門知識を持ち、お客様のTPD治療のオンターゲット効果およびオフターゲット効果の理解をサポートします。また、TPD探索ワークフローにおける各ステップの合理化に役立ち、潜在的なTPD分子のより高度な検証を可能にする、弊社の幅広い製品ラインナップと業界をリードするプロテオミクスサービスをご利用いただけます。

標的タンパク質分解 (TPD) 用の製品とサービス

図の各ステップをクリックすると、利用可能なCSTのワークフローソリューションの詳細をご覧いただけます。

ユビキチンプロテアソームシステムが媒介するTPD創薬におけるステップを示す図

ユビキチンプロテアソームシステムを介するTPD創薬: (ステップ1) E3リガーゼと標的タンパク質の両方に結合する、分解誘導化合物候補をスクリーニングします。(ステップ2) 分解誘導化合物が、E3リガーゼおよび標的タンパク質と3元複合体を形成することを確認します。(ステップ3) 標的タンパク質がポリユビキチン化されることを確認します。(ステップ4) 標的の分解を定量して確認します。(ステップ5) 標的タンパク質分解による表現型の変化を理解するために、オンターゲット効果とオフターゲット効果を調べます。

分解誘導化合物を探索

分解誘導化合物を探索

以下の製品を使用し、疾患の進行を促進する標的タンパク質と、細胞または組織に含まれるE3ユビキチンリガーゼを特定してください。

  • E3リガーゼ抗体CRBNVHLKEAP1MDM2などのE3リガーゼを認識する特異的な抗体は、プラットフォームごとに検証されています。E3ユビキチンリガーゼと、それらの既知の基質をまとめたユビキチンリガーゼ表を参照してください。
  • プロテオミクス解析サービス: CSTのプロテオミクス解析サービスにより、鍵となるタンパク質と翻訳後修飾をプロファイリングして、迅速に潜在的な標的とE3ユビキチンリガーゼを同定できます。これらのサービスでは、化学プロテオミクスを用いて、複雑なプロテオーム中の、共有結合性阻害剤開発用の反応性の高いシステインを同定します。そのため、タンパク質の機能を調節する、または求電子構造の影響を受ける細胞内の標的の同定に役立つ、新たなシステインを発見できます。
  • システインのプロファイリング:複雑な生物学的システムと関連する、目的のタンパク質上の反応性の高いアミノ酸側鎖をマッピングします。反応性の高いシステインの標識とペプチド濃縮を伴う質量分析を用いた最適なワークフローソリューションにより、重要な標的タンパク質におけるアクセス可能な反応性の高いシステイン部位を効率的に同定および定量できます。

三元複合体の形成を確認

三元複合体の形成を確認

タンパク質 - タンパク質相互作用を解明するために設計されたアッセイを用いて、3元複合体を調査できます。例えば、標的特異的抗体を用いてE3リガーゼと標的タンパク質間の物理的近接性を実証するTR-FRETや共免疫沈降、AlphaLISAなどがあります。最適な3元複合体の形成は、効率的なPOIのユビキチン化とUPSを介したPOIの分解に不可欠です。

CSTは、タグ付けされた抗体やマッチド抗体ペアを含む、性能に再現性のある検証済みのカタログ製品を提供し、3元複合体の形成実験をサポートします。ご使用のプラットフォームに必要な標識または組成の抗体が見当たりませんか?CSTは、お客様のご要望に応じて抗体を開発、最適化、検証します。

  • カスタム標識サービス:CSTは、カスタム標識の経験が豊富な信頼できる専門家を有しています。ご使用のプラットフォームに適する標識抗体のカタログ製品が見当たらない場合は、弊社に金属や蛍光色素、ビオチン、DIG、その他のタグのカスタム標識を依頼することもできます。各アッセイプラットフォームに適合する抗体のリソースとガイド をご覧になり、お客様のご使用のプラットフォームで機能する標識を見つけてください。
  • マッチド抗体ペア:キャリアフリーのすぐに標識可能なマッチド抗体ペアは、最適化済みであり、すぐにTR-FRETアッセイにお使いいただけます。
  • 免疫アッセイ開発用のカスタム組成:ELISA様アッセイやin vivoでの機能アッセイの開発に用いる場合は、 BSAやアジ化物、グリセロールフリー組成の抗体をご注文ください。
  • 抗タグ抗体:特異性と感受性の高いCST®タグ抗体は、共免疫沈降実験に使用可能です。これらの抗体を用いて、トランスフェクトされた、タグ付けされた組換えタンパク質をプルダウンできます。
  • プロテオミクス解析サービス: サンプル中のタンパク質の定性的および定量的なプロファイリングを実施します。CSTの科学者は、タンパク質-タンパク質相互作用を評価するTandem Mass Tag (TMT) アッセイと、3元複合体の形成を確認するための近接依存性標識アッセイ (TurboID/BioID) を行うことができます。

標的のユビキチン化を確認

標的のユビキチン化を確認

CSTプロテオスタシス抗体を用いて標的タンパク質のユビキチン化を確認するか、PTMScan® UbiquitinキットまたはCSTプロテオミクス解析サービスを用いて、標的タンパク質上のすべてのユビキチン化部位を網羅的に確認することができます。

  • ユビキチン抗体: 未修飾タンパク質またはポリユビキチン化されたタンパク質に特異的な各アプリケーション検証済み抗体を用いて、標的タンパク質のユビキチン化を評価します。Branched Ubiquitin Antibody Sampler Kit #33959を使用して評価することもできます。
  • PTMScan Ubiquitin Remnantキット: ユビキチン化された大量のペプチドを単離、同定、定量することにより、細胞や組織サンプル中のタンパク質のユビキチン化を幅広く調査できます。

標的の分解を定量

標的の分解を定量

CSTが提供する特異性と感度の高い抗体を用いて、TPD処理後の標的タンパク質の発現レベルを直接アッセイし、分解誘導化合物候補の有効性を評価できます。

以下のアプリケーションなどで検証された抗体を提供しています:

 

以下のアプリケーションで検証され使用が承認されている、目的の標的に対する高品質な抗体を見つけてください:

さらに、カタログ製品またはカスタマイズしたキャリアフリー抗体を、ハイスループットのペアベースアッセイプラットフォームにご利用いただけます。お客様がご使用のプラットフォーム用に特別な標識が必要ですか?カスタム標識サービスもご利用いただくこともできます。

EGFRなどのタンパク質の変異体を標的としている場合は、CSTの変異体特異的抗体のカタログ製品を検索してください。お探しのタンパク質の変異体用の抗体が見当たりませんか?さらなる詳細は、弊社にお問い合わせください

オンターゲット効果/オフターゲット効果

オンターゲット効果/オフターゲット効果

CSTのプロテオミクス解析サービスを利用し、目的のTPD分子のオフターゲット効果による、幅広い分子レベルの理解を深めてください。

CSTの科学者は、これらのサービスを提供しています:

  • プロテオミクス探索サービス:
    • PTMScan Discoveryプロテオミクスサービス:目的の標的に応じて、サンプル中のユビキチン化、リン酸化、アセチル化、メチル化タンパク質の包括的なPTM解析を行い、TPD分子の下流への影響をモニタリングします。
    • KinomeView® サービス:キナーゼを標的とする際に、TPD分子を用いた処理により調節されるキノームの領域を同定します。
  • トータルプロテオームプロファイリングサービス:
    • TPD分子の下流への影響についての知見を取得し、タイムコース実験を用いてTPD分子の有効性を決定します。
    • TPD分子の、オンターゲットの特異性とオフターゲットの交差反応性を理解します。
  • UbiScan - ユビキチン化プロテオミクス:数千種類もの重複のないユビキチン化配列をLC-MS/MSで定量的にプロファイリングし、プロテアソームによる分解の標的とならないオフターゲットタンパク質を同定します。

または、以下のCSTキットのいずれかをご利用ください: