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ELISA (Enzyme-linked Immunosorbent Assay) で得られた結果の解析

ELISA試験における感度と特異性

ELISAにはいくつかの種類 (サンドイッチELISA、競合ELISAなど) があり、検出法も同様であるため、実験の目的に合わせた選定が必要になります。選択した方法により、観察されるシグナル感度や定量可能なタンパク質濃度のダイナミックレンジなどが変わってきます。

CSTは、厳正な検証を経た抗体の中から、それぞれのサンドイッチELISAキットに最適な抗体ペアの選定を行っています。ELISA製品には、生物学的に適切なモデルでさらに厳密な試験を実施し、特異性と最適なS/N比の確認を行います。

定量的および半定量的ELISA試験

検体の絶対濃度を決定するため、既知量の抗原を段階希釈し、標準曲線を作成します。各サンプルで得られたシグナル強度の値を標準曲線と対比し、シグナル強度に相当する濃度を算出します。

サンプル同士を比較するか、参照サンプルと比較することにより相対的な定量化を行うことも可能です。例えば、感染に応答した血清中の抗体濃度の変化は、未感染 (ベースライン) の血清に比較して、感染後の血清で何倍に増えたか (Fold-change) という形で半定量的に表現することができます。

定性的ELISA試験

ELISAの定性的解析は、検体中に標的分子が存在するか、しないかを検定するもので、いわゆる「陽性」または「陰性」という結果が得られます。標的の存在の有無は、ブランクサンプルかネガティブコントロールと比較したシグナルを観察することにより決定することができます。

結果の解釈

一般に、ELISAの実験結果は、ELISAプレートの各ウェルの発色を分光光度計で測定、数値化されます。化学発光や蛍光を利用し、RLU (Relative Light Units) またはRFU (Relative Fluorescent Units) として検体濃度を対数的に測定することもできます。各ウェルから得られた数値は、ウェル同士またはコントロールと比較してタンパク質の相対量を算出することができます。標準曲線と比較することで正確な絶対濃度を決定することもできます。

サンドイッチELISAとは対照的に、競合/阻害ELISAでは、シグナルと検体量は逆相関関係になります。