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びまん性正中グリオーマ (DIPG)

発がん性の特徴を持つ変異ヒストンであるがんヒストンは、クロマチンのグローバルなランドスケープに影響を及ぼし、遺伝子発現を変化させて腫瘍形成を促進します。びまん性正中グリオーマ (DIPG) の78%は、ミスセンス変異によりLys27がメチオニンに置換されリジンのメチル化による遺伝子発現の抑制能が低下した、ヒストンH3のがんヒストンを持ちます。

以下の標的から始めませんか?

H3K27M

H3K27Mはがんヒストンとして機能します。Ezh2がヒストンをメチル化できなくなり遺伝子発現が異常に上方制御されるため、この変異は腫瘍の発生に寄与します。

DIPG 図 1

FLAGタグをノックインしたK27M変異型Histon H3.3遺伝子 (左、ポジティブ) あるいはFLAGタグをノックインした野生型Histon H3.3遺伝子 (中央、ネガティブ) のいずれかを持つマウスのアストロサイトと、HeLa細胞 (右、ネガティブ) を、Histone H3 (K27M Mutant Specific) (D3B5T) Rabbit mAb (緑) とβ-Actin (8H10D10) Mouse mAb #3700 (赤) を用いて免疫蛍光染色し、共焦点顕微鏡で解析しました。

Ezh2

H3K27のメチル化の変化はゲノム上でのEzh2の局在異常により起こることが多く、ChIP-seq解析で確認できます。

製品
Ezh2 (D2C9) XP® Rabbit mAb #5246 – WB、IP、IF、F、IHC、ChIP、ChIP-seq
DIPG 図 2

クロスリンクさせたHeLa細胞由来のクロマチンに、SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9003と、Ezh2 (D2C9) XP® Rabbit mAbあるいはTri-Methyl-Histone H3 (Lys27) (C36B11) Rabbit mAbのいずれかを用いてクロマチン免疫沈降を実施しました。EZH2のChIP-seqで濃縮したChIP DNA 5 ngおよびH3K27me3のChIP-seqで濃縮したChIP DNA 50 ngと、DNA Library Prep Kit for Illumina (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795を用いてDNAライブラリーを調製し、Illumina NextSeqでシーケンスしました。EZH2とH3K27me3は、クロマチン上で互いに相互作用することが知られています。この図は、MYH1遺伝子全体におけるEZH2およびH3K27me3の存在を示しています。