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SignalStar Multiplex IHCに用いる抗体の検証

SignalStar Multiplex IHCは、特異的な一次抗体および蛍光検出試薬を用いて、FFPE組織サンプル中の複数の細胞内タンパク質を同時に標識するための高度な技術です。組織サンプル中に発現するタンパク質の可視化と解析における、精度と信頼性の高い結果を提供します。

CSTは、すべての抗体についてアプリケーションごとに独立して検証を行なっており、SignalStar技術用に特化して検証した抗体のみを、SignalStar Multiplex IHCに用いる抗体として推奨しています。これはつまり、SignalStarに用いる抗体は、お客様のアッセイで常に期待通りに機能することを意味します。

弊社は、SignalStar Multiplex IHC技術のアプリケーションを最適化するための専門家によるサポートを提供し、研究にかかる時間を削減します。弊社のテクニカルサポートチームは、あらゆるご質問にお答えし、技術的な支援を行います。

検証ステップ:

  • SignalStarに用いる抗体はすべて、SignalStarの検証を行う前に、厳密なIHC-P用の検証プロセスに合格する必要があります。
  • 連続切片を用いた従来のDAB発色標識と直接比較して、SignalStar技術の特異性を確認します。
  • SignalStarオリゴ標識抗体は、非常に多くのマルチプレックス化された様々なパネルにわたる、利用可能なすべての蛍光チャンネルやイメージングラウンドで最適化されます。
  • SignalStarアッセイは、染色の再現性の確認だけでなく、複数の装置や異なる日数、そして自動および手動プロトコールの比較も行い検証されています。
  • SignalStarオリゴ標識抗体を用いた発色染色を利用して、抗原特異性が標識のプロセスを通して維持されることを確認します。
  • 目的の標的が発現していることが分かっているポジティブコントロール組織で、抗体を試験します。
  • 標的の細胞内局在と共局在性を調査します。
  • SignalStarオリゴ標識抗体の性能は、関連するがんモデルで評価されます。ヒトがん組織アレイを用いて、広範な組織タイプにおける抗体の性能を実証します。
  • 各ロットを徹底的に試験し、SignalStarで正確な結果を得るために必要な再現性を確保します。希釈率とプロトコールは、あらかじめ決定および指定しています。

発色染色との比較

SignalStar抗体検証図1

パラフィン包埋ヒト胃腺がん組織を、Pan-Keratin (C11) & CO-0003-488 SignalStar Oligo-Antibody Pair #63566 (1段目左、緑)、PD-L1 (E1L3N) & CO-0005-594 SignalStar Oligo-Antibody Pair #28249 (2段目左、黄)、CD20 (E7B7T) & CO-0011-647 SignalStar Oligo-Antibody Pair #36775 (3段目左、赤)、CD8α (D8A8Y) & CO-0004-750 SignalStar Oligo-Antibody Pair #62750 (4段目左、シアン) を用いてSignalStarマルチプレックス免疫組織化学染色し、パラフィン包埋ヒト胃腺がん組織の連続切片をPan-Keratin (C11) Mouse mAb #4545 (1段目右)、PD-L1 (E1L3N) XP® Rabbit mAb #13684 (2段目右)、CD20 (E7B7T) XP® Rabbit mAb #48750 (3段目右)、CD8α (D8A8Y) Rabbit mAb #85336 (4段目右) を用いて発色染色した免疫組織化学染色の結果と比較しました。すべての蛍光色素に対し、記載した疑似カラーを割り当てています。すべてのプロトコールを、Leica Biosystems社のBOND RX 自動染色装置で行いました。連続切片を用いたSignalStarアッセイ (n=2) から、同じ領域における陽性細胞率を定量し、発色法と比較しました。

標識の最適化

図2.SignalStarに用いる抗体の検証

A) パラフィン包埋ヒト非小細胞肺がん組織を、CD3ε (D7A6E) & CO-0001-488 SignalStar Oligo-Antibody Pair #92856 (上段左)、CD3ε (D7A6E) & CO-0001-594 SignalStar Oligo-Antibody Pair #84634 (上段右、黄)、CD3ε (D7A6E) & CO-0001-647 SignalStar Oligo-Antibody Pair #33888 (下段左、赤)、CD3ε (D7A6E) & CO-0001-750 SignalStar Oligo-Antibody Pair #51754 (下段右、シアン) を用いてSignalStarマルチプレックス免疫組織化学染色し解析しました。すべての蛍光色素に対し、記載した疑似カラーを割り当てています。染色は、BOND RX自動染色装置で行いました。B) パラフィン包埋ヒト乳管がん組織の連続切片を、Vimentin (D21H3) CO-0012-750 SignalStar Oligo-Antibody Pair #61002 (上段パネル、シアン) またはHER2/ErbB2 (D8F12) & CO-0019-488 SignalStar Oligo-Antibody Pair #31149 (下段パネル、緑) を用いてSignalStar免疫組織化学染色して解析し、1回目のイメージングラウンド (左) と2回目のイメージングラウンド (右) を比較しました。すべての蛍光色素に対し、記載した疑似カラーを割り当てています。染色は、BOND RX自動染色装置で行いました。

プロトコールの検証

図3.SignalStarに用いる抗体の検証

パラフィン包埋ヒト結腸直腸がん組織の連続切片を、Granzyme B (D6E9W) & CO-0009-647 SignalStar Oligo-Antibody Pair #37369 (マゼンタ) またはPan-Keratin (C11) & CO-0003-647 SignalStar Oligo-Antibody Pair #16373 (赤) を用いてSignalStarマルチプレックス免疫組織化学染色して解析し、手動プロトコール (左) とBond RXプロトコール (右) を比較しました。すべての蛍光色素に対し、記載した疑似カラーを割り当てています。