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抗体検証における戦略:複数抗体戦略

複数抗体戦略は、強力な抗体検証方法です。これを行う最も一般的な方法は、標的を1つの抗体で免疫沈降 (IP) し、その後別の抗体で同じ標的をウェスタンブロッティングで検出することです。これにより、両方の抗体が正しい生体分子に結合しているという自信を持つことができます。

もう1つのよく見られる複数の抗体による検証方法では、同じ標的上の明確に異なる重複するエピトープに対して2つ以上の抗体を用い、直接比較できる免疫染色データを産生します。これは通常ウェスタンブロッティング、免疫細胞化学染色、または免疫組織化学染色などの技術で行われます。同一のサンプルを複数の抗体で並行して調査することにより、比較的迅速に抗体の特異性を視覚的に得ることができます。

同じ標的に対する2つの抗体が利用できない場合は、抗体特異性を判断するために代替の方法を採用することができます。例えば免疫沈降後に質量分析を行う方法は、評価中の抗体で濃縮されたタンパク質を検出するのに使われることが増えている方法です。

他の抗体検証の保証と同様に、複数抗体戦略も抗体の特異性を判断するのに採用するただ1つの方法とすることはできません。例えば、抗体の結合が免疫組織化学染色で同等であるものの、両方の試薬が実際同じ、不正確な、非標的の生体分子を認識するという可能性を排除するため、複数抗体試験のデータは他の抗体検証戦略で裏付けることが常に必要です。さらに、複数の抗体による方法は、決して抗体をスクリーニングまたは選択するための方法として「盲検的に」使用してはなりません。この方法で試験したすべての抗体は、このハンドブックに記述されている他の方法を使い、個別に検証する必要があります。

免疫沈降

免疫沈降は、2つの異なる抗体が同じ標的に結合するのを明確に可視化する、複数の抗体の検証のための最も明白なアプローチの1つです。これは図1で示すように、抗体が分子の異なる領域を認識するときに特によく分かります。ここでは、ラット脳抽出物からのNeuNタンパク質を免疫沈降するためにNeuN (E4M5P) マウスモノクローナル抗体を使い、ウェスタンブロット解析にNeuN (D4G4O) ラビットモノクローナル抗体を用いました。TAZ (EBE9G) rabbit mAbを免疫沈降に、2番目のTAZ (D316D) rabbit mAbをウェスタンブロットに用いた、類似したデータセットを図2に示します。どちらの場合もアイソタイプコントロールを含めると、抗体の特異性を確認するのに役立ちます。

ラット組織抽出物からのNeuNタンパク質のIP。レーン1は10%インプット、レーン2はMouse (E5Y6Q) mAb IgG2a Isotype Controlを用いた免疫沈降です。ウェスタンブロット解析をNeuN (D4G4O) を用いて行いました。

図1 ラット組織抽出物からのNeuNタンパク質のIP。レーン1は10%インプット、レーン2はMouse (E5Y6Q) mAb IgG2a Isotype Controlを用いた免疫沈降です。ウェスタンブロット解析をNeuN (D4G4O) を用いて行いました。

HeLa細胞抽出物からのTAZタンパク質のIP。レーン1は10%インプット、レーン2はRabbit (DA1E) Isotype Controlを用いた免疫沈降です。TAZ (D3I6D) を用いて行ったウェスタンブロット解析。

図 2 HeLa細胞抽出物からのTAZタンパク質のIP。レーン1は10%インプット、レーン2はRabbit (DA1E) Isotype Controlを用いた免疫沈降です。TAZ (D3I6D) を用いて行ったウェスタンブロット解析。

異なる抗原の検出

免疫染色技法を介して同一のサンプルを調査するのに複数の抗体を使うのは容易であるにもかかわらず、抗体の特異性を確認するのにあまり使われていない方法です。2つ以上の異なる抗体試薬が同一の染色パターンまたは抗原局在を示したら、抗体が標的を特異的に染色しているという自信を得ることができます。

以前検証された抗体を使い、検証中の抗体から観察された免疫染色データを確認することが可能です。試験抗体で得られた結果が検証済みの抗体の結果を再現したとしたら、これは特異性を示していると考えられます。例えば図3は、ヒトタンパク質上の異なるエピトープを認識するHelios rabbit mAbを用いて、2つの異なる組織の種類の免疫組織化学染色解析を示しています。両方の組織における染色パターンが同等であり、両方の抗体が標的に特異的であることを示唆しています。図4では、2つの異なるMAGE-A4ラビットモノクローナル抗体を使い、ヒト扁平細胞肺がん組織を染色しています。この場合も、両方の抗体は類似した染色を示していると考えられ、特異性への自信を与えます。

同じ標的上の異なるエピトープを認識する2つの抗体からのデータをサイド・バイ・サイドで得られるのに加え、それ以上の数の製品からの同等のデータを探すのにも理想的です。例えば図5および6は、CD200またはそれに類似するものに対する2つの独特の抗体と関連するウェスタンブロットデータを示しています。ここでは抗体を試験するのに使われたモデルの一貫性と、生成された結果の類似性が強調されています。対照的に、同じ標的に対する2つの異なる製品のデータが大きく異なると、結果の有効性が疑問視されます。

Helios (E4L5U) (上) またはHelios Antibody (下) を用いた、パラフィン包埋ヒトB細胞ホジキンリンパ腫 (左) または前立腺がん (右) のIHC解析。これら2つの抗体は、ヒトHelios上の独立した独特のエピトープを検出します。両方の抗体で得られた染色のパターンが類似しており、これが染色の特異性を確認するのに役立ちます。

図 3 Helios (E4L5U) (上) またはHelios Antibody (下) を用いた、パラフィン包埋ヒトB細胞ホジキンリンパ腫 (左) または前立腺がん (右) のIHC解析。これら2つの抗体は、ヒトHelios上の独立した独特のエピトープを検出します。両方の抗体で得られた染色のパターンが類似しており、これが染色の特異性を確認するのに役立ちます。

MAGE-A4 (E7O1U) (上) またはMAGE-A4 Antibody (下) を用いた、パラフィン包埋ヒト扁平上皮細胞肺がんのIHC解析。これら2つの抗体は、ヒトMAGE-A4上の独立した、独特のエピトープを検出します。両方の抗体で得られた染色のパターンが類似しており、これが染色の特異性を確認するのに役立ちます。

図 4 パラフィン包埋したヒト扁平上皮肺がん組織について、MAGE-A4 (E7O1U) (左) あるいはMAGE-A4抗体 (右) を用いて行った免疫組織化学染色解析。これら2つの抗体は、ヒトMAGE-A4上の独立した、独特のエピトープを検出します。両方の抗体で得られた染色のパターンが類似しており、これが染色の特異性を確認するのに役立ちます。

CD200 (E5I9V) (上) またはβ-Actin (D6A8) (下) を用いた、多様な細胞株からの抽出物のWB解析。

図 5 CD200 (E5I9V) (上) またはβ-Actin (D6A8) (下) を用いた、多様な細胞株からの抽出物のWB解析。

CD200 (E2K4C) (上) またはβ-Actin (D6A8) (下) を用いた、多様な細胞株からの抽出物のWB解析。

図 6 CD200 (E2K4C) (上) またはβ-Actin (D6A8) (下) を用いた、多様な細胞株からの抽出物のWB解析。

クロマチン免疫沈降

複数の抗体は、クロマチン免疫沈降 (ChIP) 実験の結果を検証するために使用することもできます。特異的なクロマチン断片にin vivoで結合する転写因子やコファクターなどのタンパク質を特定するために使われるChIPは、細胞の天然のクロマチンの状態内のタンパク質とDNA間の相互作用を調査するために使われます。同じ標的タンパク質の非重複エピトープ、または同じDNA結合複合体に対する複数の抗体を使い、ChIPをqPCRまたはNG-seqと組み合わせた解析を行うことにより、研究者は、非常に汎用性の高い抗体交差検証法の恩恵を受けることができます。

図7は、SW1/SNF複合体内の3つの異なるタンパク質標的、SMARCC1、SMARCB1、およびSS18に対する3つの抗体を用いた実験からのChIPデータを示しています。ChIPとその後のNG-seqによる解析後、3つの抗体すべてが大変似通った結果を産出することが分かります。

活性炭処理した5% FBSを含むフェノールレッド不含培地で4日間培養したMCF7細胞を、10 nM β-estradiolで45分間処理した後、クロスリンクしたクロマチンサンプルを調製しました。SMARCC1/BAF155 (D7F8S)、SMARCB1/BAF47 (D8M1X)、またはSS18 (D6I4Z) のいずれかと、このクロマチンサンプル、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #を用いてChIPを行いました。SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina®を使用して、DNAライブラリーを調製しました。SMARCC1/BAF155、SMARCB1/BAF47、SS18は、すべてSWI/SNF複合体のサブユニットです。この図は、SWI/SNF複合体の既知の標的遺伝子であるpS2/TFF1全体への結合を示しています

図 7 活性炭処理した5% FBSを含むフェノールレッド不含培地で4日間培養したMCF7細胞を、10 nM β-estradiolで45分間処理した後、クロスリンクしたクロマチンサンプルを調製しました。SMARCC1/BAF155 (D7F8S)、SMARCB1/BAF47 (D8M1X)、またはSS18 (D6I4Z)のいずれかと、このクロマチンサンプル、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) を用いてChIPを行いました。SimpleChIP® ChIP-seq DNA Library Prep Kit for Illumina®を使用して、DNAライブラリーを調製しました。SMARCC1/BAF155、SMARCB1/BAF47、SS18は、すべてSWI/SNF複合体のサブユニットです。この図は、SWI/SNF複合体の既知の標的遺伝子であるpS2/TFF1全体への結合を示しています。

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